
生理前心の不調が強く出る。それって「PMDD」かも
生理前は、心も体も不安定になっていろいろな不調が出てきます。
なかでも、心の不調が強く出ている場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれるものかもしれません。
生理前に感情の嵐が吹き荒れる
イライラしたり、怒りっぽくなったり、落ち込んだり……生理が近づいてくると心が不安定になることは、女性なら誰でも経験があることでしょう。
けれども感情のコントロールがきかなくなるほど、イライラがつのったりカッとなったり、暴言や暴力に及んだり、また気分の落ち込みや絶望感が強くなるなど、心の症状がとりわけ強くでて日常生活や社会生活に支障を来たすような状態を月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder=PMDD)というそうです。
この時期はモノや人にあたり散らすことも多く、PMDDの症状が原因で仕事上でトラブルを起こしたり、家族やパートナーと大げんかをしたり、恋人と別れてしまったという人も。
こうした感情の嵐は、生理が始まると徐々におさまっていきます。ただ、その後感情のコントロールがきかなくなっていた状態に気づいて、ひどい自己嫌悪に陥って苦しむ人が少なくないようです。
生理前は心も体も不安定に
女性の心と体の状態は、生理のリズムによって目まぐるしく変わります。
生理が終わると女性ホルモンのエストロゲンの影響で、心も体も調子のよい状態が続きますが、排卵後から次の生理が始まるまでの間、とくに生理前の1週間は女性ホルモンのプロゲステロンの影響で心も体も不安定になる時期だといわれています。
生理前の不調がひどい場合を「月経前症候群(PMS)」といいますが、PMDD(月経前不快気分障害)もPMSの症状の一部で、月経周期にともなって起こるのが特徴だといいます。
ひとりで悩まずに婦人科で相談を
女性ホルモンの変動が女性の心と体に影響を及ぼすのは自然なことかもしれません。しかし、そうはいっても毎月生理のサイクルに心が振り回されたり、PMDDが原因で人間関係がうまくいかなくなってしまうとしたら、とてもつらいもの。
生理前に感情のコントロールがきかなくなってPMDDかなと思ったら、ひとりで悩んだり、毎月のことだからとあきらめたりせずに、婦人科に相談しましょう。
PMDDに対しては、精神状態を安定する薬を処方してくれたり、また低用量ピルによる治療で症状が軽減できるといわれています。
漢方薬の治療も有効性が報告されているそうです。
症状を和らげるセルフケアも大事
PMDDも含めて生理前の不調は、セルフケアも重要なポイントだといわれています。
朝食をとらなかったり、糖質や脂質のとり過ぎなどは症状を悪化させるといわれています。バランスの良い食事を心がけましょう。
また生理前はアルコールをとると悪酔いしやすいといわれているので注意が必要です。
トラブルが多いこの時期はゆったり過ごそう
生理前の心の状態を手帳にメモしておくと、次回の生理が近づいてきたときに「そろそろかな」と気づくこともできます。
また、生理前の心の不調期は、可能なかぎり大切な仕事を入れたり大きな決断はせずに、少し延ばしたほうが無難かもしれません。
PMDDを含む生理前の不調はストレスがあると症状が強くなるといわれています。
生理前の不調期はできる限り予定を入れずに、仕事が終えたらまっすぐに家に帰ってリラックスして過ごすとよさそうです。
睡眠もしっかりとって、不調期を上手にやり過ごしたいものですね。
<参考>
※『恋より美容液より シンデレラホルモン』(経済界 対馬ルリ子著)
※『女も知らない女のカラダ』(経済界 対馬ルリ子著)