
スマホは使っても「使われない」ように?
今や国民の9割以上が使っているといわれるスマートフォン。
便利なあまり「いけないかも……」とためらいつつ、「まっ、いいか!」と使ってしまうことありますよね。
そんなスマホにまつわるトラブルを考えてみました。
スマホのちょっと見で車は33メートル進む
スマートフォン(スマホ)が世に出たのが2007年(2008年とも)といわれていますが、それからわずか十数年。2022年には普及率が94%(総務省・令和3年通信利用動向調査)にまで急伸。今ではスマホがない生活は「考えられない!」という人は少なくないようです。
しかし、スマホとの付き合い方が未熟なまま急速にスマホの利用が伸びたためでしょうか、さまざまなスマホがらみのトラブルが頻発しているのも問題になっているようです。
例えばスマホを見ながらのいわゆる「ながら運転」による交通事故は、警察庁の調べによると令和3(2021)年に1,394件(うち死亡事故は21件)発生しているそうです。
同庁のWebサイトよると、時速60キロで走行する車のドライバーが、スマホをわずか2秒見るだけで約33.3メートルも進んでしまうそうです。
時速40キロでも約22.2メートルだそうです。たった2秒の「ちょっと見」ですが、それが招く結果はちょっとどころではありません。
20歳代の6割が「歩きスマホ」をしている
また、東京消防庁によると「歩きスマホ」(「自転車に乗りながら」を含む)による事故によって、2017~2021年の5年間に165人が救急搬送されたそうです。 20歳代がもっとも多く33人、次いで30歳代が28人でした。
救急搬送された人の6割以上を20~50歳代が占めています。
若年層ほど「歩きスマホ」をする傾向があるという調査結果もあります(NTTドコモ モバイル研究所)。
それによると世代別では20歳代の男女が最多で、女性の64.5%、男性の59.8%が「歩きスマホ」をしていたといいます。
10~30歳代のなんと半数以上が「歩きスマホ」をしていました。
街のそこかしこで「歩きながら」や「自転車に乗りながら」スマホを操作している人を見かけるのも「むべなるかな」です。
「スマホに子守りをさせないで!」
そんなこともあってか、最近、スマホ依存症といった言葉が盛んに聞かれるようになりました。
スマホの使い過ぎによって体や心に不調を引き起こす人が増えているといったことも耳にします。
そんななかアメリカの大学の研究チームによる、未就学児とスマホの関係について気になる研究結果が報道されました(東京新聞/2023.1.25)。
それによると3〜5歳の未就学の子どもにスマホを持たせると、感情のコントロールに悪い影響を及ぼす可能性があるというのです。
研究チームは親が子どもにスマホを与える、いわゆる「スマホ子守」をする頻度と子どもの自制心や感情の安定などを分析したところ、「スマホ子守」の頻度が高いほど、感情のコントロールが苦手な傾向が見られることが分かったといいます。
日本小児科医会や日本産婦人科医会は『スマホに子守りをさせないで!』とするポスターやリーフレットを作成して、子どもとスマホとの付き合い方に注意をうながしています。
スマホを使いこなしているつもりが、逆に「スマホに使われている」なんてことにならないように用心、用心!
<参考>
*「運転中のスマートフォン・携帯電話等使用の危険性」(警察庁)
*「歩きスマホ等に係る事故に注意!」(東京消防庁)
*「20代の約6割が『歩きスマホ』をやっている」(NTTドコモ モバイル研究所)
*「『スマホ子守』にご注意」(東京新聞/2023.1.25)
*「スマホに子守りをさせないで!」(公益財団法人 日本産婦人科医会・公益財団法人 日本小児科医会)