プラスコラム
PLUS COLUMN

ぎっくり腰は前触れなく襲ってくる

突然腰を襲う激しい痛み……ぎっくり腰は、経験した人にしかわからないつらさがありますね。

今回は、誰にでも起こる可能性があるぎっくり腰について調べてみました。

 

魔女の一撃!

ドイツ語では、ぎっくり腰を「魔女の一撃」と表現するそうです。何かの拍子で突然腰に起こる激痛は、まさしく魔女の仕業といいたくなるかもしれません。

 ぎっくり腰の日本での正式名称は「急性腰椎症」というそうです。

 

ささいな動作で起こる

ぎっくり腰というと、重い荷物を持ちあげるときなどに起こるイメージがあるかもしれません。でもそれだけではありません。

前かがみの姿勢や急に姿勢を変えたとき、かがんだときや中腰の姿勢、腰をねじったときなどに起こりやすいといわれています。

しかし、中には朝起きたときにいきなりぎっくり腰になった人もいるようです。

ぎっくり腰は、男女差はなく年齢を問わず発症するようです。

 

【ぎっくり腰は日常のささいな動作で起こる】

 

<例えばこんなとき……>

・床に落ちたものを拾おうとしたとき

・靴を履こうとしたとき

・振り向いたとき

・お辞儀をしたとき

・洗顔のとき

・せき・くしゃみをしたとき

など

 

激しい痛みはなぜ起こる?

でも、そもそもぎっくり腰とはどういう状態なのでしょうか?

日本整形外科学会のホームページによると、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがしたような状態であったり、腰を支える腱、靱帯などの損傷やトラブルが多いと考えられているようです。

これらが傷つくことで、あの強い痛みが起こるようです。

 

対処法は?

ぎっくり腰を起こしたら、横向きに寝たり膝を軽く曲げて膝の下にクッションを置くなど腰に負担がかからない楽な姿勢をとるといいといわれています。

発症直後は強い痛みに見舞われますが、多くの場合、痛みのピークは1~3日ほどで、1週間ほど経つと痛みはかなりやわらいで楽になるといわれています。

ところで、患部を冷やすべきか温めるべきか悩むところですが、ぎっくり腰を起こした直後は炎症を起こしているので冷やすとよいそうです。そして、痛みが和らいだら冷やすのはやめて、今度は温めたり動かしたりして血流をよくすると回復が早まるといわれています。

なお、痛みを和らげようと、自己流のマッサージを行うのはNG。炎症を悪化させる恐れがあるそうなので、気をつけましょう。

 

回復を早めるために

ぎっくり腰は、痛みが治まるまでは安静にして寝ているほうがいいとされていましたが、最近では早めに動き始めたほうが回復も早いことがわかってきました。

2~3日して痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動くようにしましょう。

 ただし、無理は禁物です。また、単なるぎっくり腰だと思っていたら、他の病気であったり重大な病気が隠れていることもあるそうです。

痛みがなかなかひかないときやしびれなどほかに症状があるときには、専門医を受診することをおすすめします。

 

再発予防を心がけよう

 ぎっくり腰は再発しやすいことが知られています。とくに筋力や体の柔軟性が低下していたり、無意識に腰に負担のかかる姿勢をとっていると、繰り返しやすいといわれています。

 再発防止のためにも、以下の点を心がけましょう。

・適度な運動を行う

・ストレッチを行って柔軟性をキープする

・足腰に負担をかけないよう、肥満に気をつける

・無理な姿勢をとらない

・日常動作に注意する(前かがみになるときは、ひざや股関節を軽く曲げる、物を持ったり拾ったりするときには、必ず腰を落とすなど)

・ストレス軽減を心がける。

・座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢をとらないようにする。

いかがでしたか。

ぎっくり腰に限らず、腰に不安をもつ人は多いですね。

日頃の生活習慣が、腰のトラブルにつながることが多いようです。

これを機に、腰に負担をかけない生活を意識してみませんか?

 

<参考>

※「ぎっくり腰」(日本整形外科学会)

※「腰痛症も生活習慣病のひとつ」(神田医師会)

※「NHK健康チャンネル」(NHK)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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