プラスコラム
PLUS COLUMN

男女ともに増加中。大腸がんにご用心

近年増えているといわれる大腸がん。

国立がん研究センター最新がん統計によると、2018年の大腸がんの男女総数の罹患率は、がんの中で第1位。

今回は気になる大腸がんのお話です。

 

男女合わせると、がん罹患率は大腸がんがトップ!

 女性に多いがんというと、まず思い浮かべるのが乳がんや子宮がんかもしれません。しかし、2018年の女性のがん罹患率で大腸がんは乳がんに次いで2位に。男性は罹患率の3位を占めており、男女あわせると大腸がんはがんの罹患率の1位になっています。

中でも女性の大腸がんが急増しているといわれています。大腸がんは身近ながんのひとつになのです。

 

大腸がんと生活習慣

 がんには生活習慣が大きく関係しているといわれていますが、大腸がんも例外ではありません。

 大腸がんのリスク要因とされているのが、飲酒、喫煙、運動不足、肥満などです。中でも飲酒は大腸がんのリスクを「確実」に上げる要因だといわれています。

家で飲むアルコール量が増えたり、運動不足になったり、体重が増加したり……長びくコロナ禍で、私たちは知らず知らずのうちに大腸がんのリスクをあげる生活をしているのかもしれません。

 

リスクを上げる食べ物

 また、大腸がんにかかる人が増えてきた背景には、食生活の欧米化があげられています。

 食生活で大腸がんのリスクを上げるといわれているのは、ハム・ソーセージなどの加工肉と赤身肉です。

日本人の一般的なレベルの摂取では問題ないといわれていますが、やはり食べ過ぎないように注意したいものですね。

 なお食物繊維の摂取量が極端に少ない人は大腸がんのリスクが高くなると報告されています。バランスのよい食事を心がけましょう。

 

大腸がん対策は年1回の検診が重要

 大腸がんの初期はほとんど症状がないといわれていますから、早期に発見するためには、職場健診や住民健診などで行われる便潜血検査が有効だといわれています。

 国立がん研究センターでは、便潜血検査は、大腸がんの死亡率減少効果を示す十分な証拠があるとしています。

大腸がんにかかる人は、ちょうど働き盛りの40代ころから増加が加速して、高齢になるほど増えていくそうです。

 症状がないときこそ毎年1回、便鮮血検査を受けて大腸がんのチェックをしたいものですね。

 

<参考>

※「最新がん統計」(国立がん研究センター がん情報サービス)

※「大腸がん検診」(国立がん研究センター がん情報サービス)

※「がんの発生要因と予防」(国立がん研究センター がん情報サービス)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。