
ご存じですか? 食糧難を解決するスーパーフード 今注目の「昆虫食」って?
コオロギせんべい、コオロギチョコ……昆虫嫌いの人が聞いたら卒倒しそうな昆虫食が、今世界で注目を浴びているそうです。
世の中を見回せば、おいしいものがあふれているのに、なぜ、今「昆虫食」なのでしょう?
多種多彩な昆虫メニュー
無印良品を展開する良品計画は、2020年5月から「コオロギせんべい」を無印良品のネットストアで先行販売。7月からは全国の一部店舗で販売を開始しているそうです。
口コミをチェックすると「香ばしい」「エビせんべいの味がする」「コオロギ感がない」など評判も上々のようです。
また、報道によると先日は東京駅構内のイベントスペースで多様な昆虫食を楽しむ『虫グルメフェスVol.0』が開催された模様。
出展された食品の一例をあげると、スズメバチ飴やサゴワームとオオスズメバチ幼虫のバターテー、はちのこおにぎりセットなどなど。
人によってはかなり抵抗感のあるメニューがズラリ。
ただし、昆虫好きには垂涎のメニューかも。
いずれにしても昆虫のうまみを味わえるオリジナルメニューや限定メニューが出展されていたようです。
環境に優しく、優れた栄養価
日本ではまだまだ、珍しい昆虫食ですが、東京新聞(「人口増対応タンパク源」2020年11月13日付)によると、ヨーロッパでは昆虫食が急速に広まっているそうです。
きっかけは、2013年に国連食糧農業機関(FAO)が公表した昆虫食を推奨する報告書。
世界の人口増加によって、重要な栄養源であるタンパク質が不足する恐れを指摘。牛や豚などの家畜は多くの飼料や水が必要となり、加えて地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量も多いといいます。
それに比べてカブトムシや芋虫などの昆虫は、温室効果ガスの発生も少なく、少量の水で飼育が可能。
さらにたんぱく質や、カルシウム、ミネラルなども豊富に含まれ、栄養価にも優れているといいます。
ゲテモノのイメージが強い昆虫食ですが、世界では昆虫を常食している地域も多いとか。
そういえばイナゴや蜂の子などは、日本でも古くから貴重なタンパク源として食用にされてきましたよね。
代替肉、大豆ミートも人気
ところで、昆虫食と同様に熱い視線を浴びているのが、代替肉です。
日本では大豆など植物由来のものを肉のように加工した代替肉の市場が広がっているようです。
大豆ミートは、食感や見た目が本物の肉そっくりで、肉の代わりにいろいろな料理にアレンジできるのも人気の秘密なのかもしれません。
日本経済新聞によると、農林水産省では今、フードテックと言って次世代の食糧確保に向けた検討を進めており、年明けにも必要な対策を盛りこんだ報告をまとめると報じています。
地球環境に優しく、健康的。しかも、おいしく食べられる昆虫食や代替肉が、あたりまえのように日々の食卓にのぼる日がくるのも近いかもしれません。
<参考>
*「昆虫食 世界が注目 人口増対応タンパク源」(東京新聞/2020.11.13)
*「世界に広がる代替肉」(ニュースウォッチ9 2019年5月7日 NHKニュース)
*「代替肉や昆虫食など普及へ 農林水産省がフードテック推進(日本経済新聞/2020.11.24)