プラスコラム
PLUS COLUMN

人に言えない「尿もれ」のお話

咳やくしゃみをしたとたん、尿もれを経験したことはありませんか?

実は尿もれは成人女性の4人に1人が経験するといわれるほど、女性に多いトラブルなのだそうです。

 

若い世代も尿もれの悩みが……

 尿もれは高齢者に起こるものと思われがち。

でも比較的若い世代でも尿もれに悩む人は少なくありません。

 とくに妊娠後期やお産のあとは多くの女性が尿もれを経験するといいます。

 女性の場合は、男性に比べて尿道が短いために尿もれを起こしやすいこともあるようです。

 

女性に多い腹圧性尿失禁

 尿もれの原因はさまざまあるようですが、女性に多いのはせきやくしゃみなどお腹に力が入ったときにもれる「腹圧性尿失禁」だといわれています。

腹圧性尿失禁の原因は膀胱や子宮、直腸など骨盤内の臓器を下からハンモックのように支える「骨盤底筋群」のゆるみ。

 妊娠や出産、そして加齢などでゆるんでしまうそうです。

 妊娠・出産後に起こる尿もれの場合、多くは一時的なもので、骨盤底筋のダメージが回復すると尿もれもなくなっていくそうですが、中にはその後もずっと尿もれに悩まされることがあるそうです。

 

ひとりで悩まず、早めに受診を

 軽い尿もれの場合は、骨盤底筋を鍛える体操を行うと、多くの場合症状が改善されるといいます。薬物療法や手術なども有効とのこと。

 また、尿もれの中には、トイレに間に合わずもれてしまう「切迫性尿失禁」や「腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁の混合タイプ」もあるようです。

 いずれの場合も、尿もれかなと思ったらまずは泌尿器科へ行くのが正解。

ひとりで悩まないようにしましょう。

 現在、尿もれは、女性のQOLを損なう病気として考えられていて、女性専門の泌尿器科も増えているそうですよ。

 よい治療法があるそうですから、困っていたら恥ずかしがらずに早めに受診して相談をしたほうがよさそうです。

 

<参考>

*「産後ママの体と心 トラブル解消BOOK」(NHK出版 監修:対馬ルリ子)

*「軽度の尿漏れ 体操で改善」(「東京新聞/2020.7.7)

*「ウィメンズ・メディカ」(小学館)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。