心療内科と精神科、整形外科と形成外科はどう違う?
皮膚の病気は皮膚科へ、目の病気は眼科へなど、受診すべき診療科がとてもわかりやすいものもあれば、名称が似ていたりして「どの診療科を受診したらいいのだろう?」ととまどった経験はありませんか?
今回は診療科のお話です
精神科と心療科の違いは?
まずは、精神科、精神神経科、神経科、心療内科さまざまな診療科名があって迷ってしまうのが心の病気の受診科ではないでしょうか。
厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」総合サイトによると、「精神科」、「神経科」、「精神神経科」は同じもので、「うつ病」や「統合失調症」など心の病気を専門的に診る精神科の医療機関なのだそうです。
一方、心療内科は「心理的な要因で身体の症状(胃潰瘍、気管支ぜんそくなど)が現れる、いわゆる「心身症」を主な対象としている」ようです。
ストレスなどが関連して起こる心や体の不調を内科的なアプローチで診ていく診療科と考えてよいのかもしれません。
ただし、「心療内科」と看板が出ていても実際には心の病気を診ている医療機関もたくさんあるそうです。
受診する医療機関の医師が精神科の専門医科どうか知りたい場合は、ホームページで確認するとよいですね。
では「神経内科」ってどんな診療科?
ちなみに、精神科と混同されやすい診療科名に「神経内科」がありますが、こちらは、精神科とはまったく別の科です。
脳や脊髄、神経、筋肉の病気を診る内科で、パーキンソン病や脳梗塞、手足の震えやマヒなどを扱うそうです。
よく似た響きの「整形外科」と「形成外科」
形成外科と整形外科も、なんだか名前が似ていてまぎらわしいですね。
こちらも公益社団法人 日本整形外科学会のホームページで解説しています。
整形外科は「骨、関節、筋肉など、おもに運動器の機能的改善を重要視して治療する外科」だそうです。骨折や脱臼、ねんざ、腰痛、変形性関節症などは整形外科で診てもらうといいですね。
一方、形成外科については、「生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する(治療する)外科で、頭や顔面を含めたからだ全体を治療対象としている」とあります。
たとえば、乳がん切除術のあとの乳房の再建や、やけどによる皮膚の移植などは形成外科の領域のようです。
ところで、似たような名前に、二重まぶたの手術などいわゆる「美容整形外科」という診療科もありますね。
正式名称は「美容外科」で、形成外科の一分野なのだそうですよ。
とはいえ、こちらも「どの診療科に行けばいい?」と迷うこともあるかもしれません。
受診科に迷った場合は、とりあえず医療機関のホームページで確認するか、直接電話をして状況を伝え、対応してもらえるかどうかを確認すると話が早いかもしれませんね。
<参考資料>
*ウィメンズ・メディカ(小学館)
<参考URL>
*「みんなのメンタルヘルス総合サイト/医療機関の選び方」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_01_02choice.html
*「公益社団法人 日本整形外科学会のホームページ 一般の方へ よくある質問」
http://www.joa.or.jp/public/about/plastic_surgery.html