
「消費期限」と「賞味期限」どこが違う?
スーパーやコンビニで食べ物を買うとき、消費期限や賞味期限をチェックする人は多いと思います。でもこの2つの「期限表示」の意味について「同じじゃないの?」「何が違うのかよく分からない」という人もいるでしょう。
どこかで何かしらの食べ物は買ってしまう毎日。知っておいて損はない期限表示について考えてみました。
期限を過ぎても食べられる?
パンやお菓子、弁当、お惣菜、肉類、豆腐や佃煮などの加工食品に至るまで、デパ地下やスーパー、コンビニで買う食べ物にはほとんどの場合、消費期限か賞味期限が表示されています。
「消費」と「賞味」・・なんとなく似ているようですが意味が違います。
「消費期限」というのは、決められた方法で保存した場合、食品が腐敗したり劣化したりせず、食べても安全と認められる期限のことです。
簡単にいうと「表示された期限内なら食べられる」つまり期限を過ぎたら「食べないほうがよい」ということで、弁当やお惣菜、生菓子、調理パン、肉や魚類など、劣化しやすい食品に表示されます。
「賞味期限」というのは、決められた方法で保存した場合、品質の保持が十分に保てると認められる期限のことです。
つまり「期限内であればおいしく食べられる」ということで、期限を過ぎても必ずしも「食べられないわけではない」という意味です。スナック菓子やインスタントラーメン、牛乳、乳製品、豆腐、納豆など、品質の劣化が比較的緩やかな食品に表示されます。
なかには賞味期限を過ぎると「食べられない」と思い込んで捨ててしまう人がいそうですが、さにあらず。ここは「もったいない」精神を発揮して、見た目やにおいなどをチェックしてから「捨てる」「食べる」の判断をしたほうがよさそうです。
ただ、誤解されやすいのですが、ここでいう「消費・賞味期限」というのは「開封していない」状態で、食品に表示されている保存方法で保存した場合に限られます。いったん封を切ってしまった場合や表示の保存方法と違うときは、期限内であっても早めに食べることが大切です。
つくっている人がそこにいれば表示しなくてもいい?
ところでお気づきの人もおいででしょうが、すべての食べ物に期限表示の義務があるわけではありません。消費期限と賞味期限を表示しなくてもいいケースがあります。
コンビニのレジ横にあるコロッケや鶏の唐揚げ、肉屋や総菜屋のトンカツ、お惣菜などのほか、弁当屋さんで注文してから詰めてもらう弁当などです。つまり対面販売や量り売りしている場合は、表示を省略することが認められているのです。
その他にも、定食屋で焼き魚定食を食べる、そば屋でカツ丼を食べる、レストランにいってパスタランチを食べる、ホテルのバイキングランチでいろいろなものを食べる、居酒屋で酒のつまみを食べるといった場合は、その食べ物に期限表示の義務はありません。理由としては食品がいつまで食べられるか、中に何が入っているかを知っている人が直接販売しているので、知りたいときは質問できる・・ということらしいです。分かったような分からないようなかなり靄(もや)がかかったような理由です。
とはいえ定食屋でたったいま注文したサバ焼き定食がいつまで食べられるか聞くのは間抜けで変な話だし(だっていま食べるわけだから)、もしそんなことを聞いたら「何を!」てな具合で店主に逆切れされて「二度と来るな!」と塩なんかまかれたりしたらかないません・・。
ところでホテルやレストランのバイキングで、皿に多くとり過ぎて食べきれなかったものをこっそりタッパーなどに詰めて持ち帰る人がいますが、この場合、賞味期限も消費期限もわからないし、店のスタッフに聞くのもはばかられるので、家に帰ったらすぐに食べることをおすすめします。
「あした弁当に詰めて持っていこう」なんてことのないように・・。落語の『酢豆腐』にでてくる半可通(はんかつう)の若旦那みたいになっても知りませんよ。
(注)『酢豆腐』*夏のある暑い日、通人を気取ったキザな若旦那が近所の若者におだてられて、すえてカビの生えた夕べの豆腐を食わされるはめに。鼻にツン、目にピリとくる腐った豆腐を「オツなもんです」などと無理無理のどに流し込んだものの、「もっと食べろ」とせっつかれるはなし。
<参考URL>
*「食品表示」(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/index6.html
*「食品表示の基礎」(静岡県公式ホームページ「ふじのくに」食品表示ガイド)
http://www.shokuhin-shizuoka.jp/basic/