プラスコラム
PLUS COLUMN

野菜サラダだけで1日に必要な分の野菜を摂取できるの?

今回はサラダの王道「野菜サラダ」についてです。
前回は、賛否両論のなか、「ポテトサラダは、やはりサラダだった!」という衝撃的内容でしたが、では、野菜サラダを食べていれば健康か、生野菜だけではたして1日の必要量の野菜を摂取できるのか? といったことについて今回は考えたいと思います。

 

野菜サラダは健康でヘルシー?

高カロリーなドレッシングで太ってしまった!
サラダというと「健康」「ヘルシー」な食べ物といったイメージを抱く人がほとんどだと思います。前回紹介したポテトサラダやマカロニサラダに「サラダ?」と疑問符がつくのも、それらがヘルシーなイメージとは少しばかりかけ離れた食べ物だったからではないでしょうか。

では、野菜サラダは本当に「健康」で「ヘルシー」な食べ物なのでしょうか。

 「最近、野菜を食べていない」「ダイエットしているから」など、理由は人それぞれですが、ランチのときのプラスワンで野菜サラダを食べる人も多いでしょう。小分けした生野菜のパックをコンビニやスーパーで手軽に買えるのでとても便利です。
 

野菜サラダ自体はたしかにヘルシーで健康といえるのですが、注意したいのはドレッシング。とくにマヨネーズを使ったものやゴマベースのドレッシング は高カロリーです。他にもシーザードレッシング、フレンチドレッシングなどは脂肪分が多いので、使う量をまちがえると健康でヘルシーとはいいがたいかもし れません。しょう油ベースのドレッシングが比較的低カロリーでよいようです。
 

野菜はビタミンやミネラルなどの供給源としてとても重要な食べ物です。でも健康のために野菜を食べているつもりが、ドレッシングのせいで高カロリーになってしまった、サラダを食べて太ってしまったというのでは元も子もありません。
さらに生野菜であれば何でもいいというわけではありません。キャベツだけとか、レタスだけといった単品で食べるのではなく、栄養の偏りを防ぐためにもいろいろな種類の野菜を組み合わせて食べることが大切です。

コンビニで野菜サラダを選ぶときは、たくさんの野菜が入ったカラフルなものを選ぶのがよいでしょう。パッケージに「○○種類の野菜」が入っていますなどと書いてある野菜サラダもあるので選ぶときの参考になります。
 

野菜サラダだけで1日の必要量をまかなえる?

厚生労働省の『健康日本21』では、1人当たり1日350グラムの野菜を食べることを目標にしています。ただ生野菜で350グラムを食べるとなると かなりのボリュームになります。コンビニなどでパックに入ったわずかな野菜サラダだけでは、1日の必要量をまかなうことはできません。
 

とはいえ大量の生野菜を食事のたびにバリバリと食べるのは、まるでウサギにでもなったようで食事が楽しくありません。さらに生野菜は体を冷やします。
野菜を蒸したり、ゆでたり、炒めたりするとたっぷりの野菜を食べられます。きんぴらごぼうやヒジキの煮物、ホウレンソウのおひたし、春菊のゴマ和えなど、いわゆる日本的な総菜もおすすめです。漬け物をサラダ感覚で食べるのもいいでしょう。
 

野菜は1回の食事でまとめて食べるよりも、煮る、炒める、蒸すなど、メニューを変えて何回かに分けて食べると1日の必要量を無理なく摂れるようです。
それでも野菜があまり摂れなくて量が足りないといった場合は、応急策として野菜ジュースで不足分を補うという方法もあります。ただ、野菜ジュースは殺菌のために熱処理されているので、栄養分が生の野菜と同じというわけにはいきません。
 

とはいえ数種類の野菜が入った野菜100%のジュースを選べば、本来の野菜の幾分かの栄養を吸収できます。野菜を食べないよりはマシという程度なの で、野菜ジュースだけで野菜は足りていると勘違いしないでください。野菜ジュースは野菜の代わりにはなりません。がぶ飲みしても野菜の不足分を補えませ ん。
また、野菜ジュースの中には、果汁や糖分を加えて飲みやすくしてあるものもあります。これらは飲み過ぎるとカロリーの過剰摂取になります。
当然のことですが、野菜の栄養は野菜からしか摂取できないのです。

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。