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女性はとくにリスク大。 家飲みで気を付けたいアルコールの害

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、アルコール好きの人は家飲みにシフト。

外飲みのときよりも酒量が増えてしまったという人が多いのでは?

そんなとき心配されるのがアルコール依存症。

あなたは大丈夫?

 

家飲みのリスク

 外で飲むのと違って、気兼ねなくまったり飲めるのが家のみのよいところ。

自分ペースで好きなものを好きなだけ飲んだり食べたりできるところも家飲みのメリットかもしれません。

でも、1人で飲むことが増えると懸念されるのがアルコールの害。

外出自粛でアルコール依存症が増えるのでは、と懸念する専門家もいるようです。

 

女性は男性よりもアルコールのリスク大

 とくに女性は要注意です

 たとえば血中アルコール濃度。アルコールは脂肪に吸収されにくいために、男性よりも体脂肪の多い女性は、その分アルコールの血中濃度が高くなるそうです。

 また女性は男性に比べて一般的に肝臓が小さく、アルコールの処理にも時間がかかります。さらに、女性ホルモンはアルコールの分解を妨げるともいわれています。

 こうした理由がいくつも重なって、男性と同じ飲酒量でも、女性は男性よりも早くアルコール依存症になったり肝臓障害などになりやすいとされています。

女性の場合は、多量にお酒を飲むと骨粗鬆症のリスクが上がったり、乳がんの発症リスクが確実に高まることが知られているなど、男性よりも女性のほうがアルコールの害を受けやすいのです。

 

お酒を飲む女性が増えている

 近年は、アルコール好きの女性が増えていることがさまざまな調査によりわかっています。

たとえば、日本酒造組合中央会が2017年に30年ぶりに実施した「日本人の飲酒動向調査」でも、女性の飲酒率の増加があきらかに。

1988年と比べると男性の飲酒率は減少しているのですが、女性は「飲む・飲める(飲めるがほとんど飲まないも含む)」人が20%も増加していました。

 

リスクを知って上手に付き合おう

「今日も1日がんばった自分にご褒美を」そんなふうにアルコールと付き合っている女性も多いかもしれません。

でも1日の疲れを癒すつもりで飲んでいたお酒がいつのまにか習慣になって、アルコール依存症の罠にはまってしまうことも……。

また、近年はストロング系と呼ばれるアルコール度数の高い缶チューハイが人気ですから、アルコール量にも注意したいものですね。

 ついつい飲み過ぎたり習慣化してしまう家飲みのリスクを知って、休肝日をつくったり、適度な量を超えて飲まないように心がけるなど、上手にアルコールと付き合っていきたいものですね。

 

<参考>

*ウィメンズ・メディカ(小学館)

*「日本人の飲酒動向調査(2017年)」日本酒造組合中央会

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。