骨折
[こっせつ]
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受診するなら
骨外から強い力が直接あるいは間接的に加わって、骨が折れてしまう状態が骨折です。外力ばかりでなく、基礎疾患があると骨が弱くなって骨折しやすくなりますし、骨腫瘍(こつしゅよう)や骨粗しょう症(こつそしょうしょう)など骨そのものに病変があると、ほんの少しの外力によっても骨折することがあります。
骨折は、原因、折れ方、状態などによって危険度もさまざまですが、とくに注意しなくてはいけないのが、開放性骨折です。
これは、折れた骨が皮膚を突き破って外から骨が見える状態になります。骨折後の早いうちに適切な治療を受けないと、細菌感染して骨髄炎(こつずいえん)を起こす恐れがあります。一刻も早く救急治療を行える整形外科あるいは外科を受診します。
症状
骨折のもっとも大きな症状は痛みです。
軽く押さえただけで激しく痛んだり、動くと痛みが増したりします。骨折部位とその周辺が腫れることも少なくありません。
周辺組織に損傷がある場合、それに即した症状がでます。血管が損傷すると循環障害、末梢神経損傷では知覚過敏や知覚脱失、臓器に骨折した骨のかけらが刺さった場合には、臓器から出血することがあります。
原因
交通事故、転倒、スポーツなどで強い外力が加わって起こる場合と、疾患や骨そのものの病変のために骨がもろくなって骨折する場合があります。
とくに高齢の女性は、骨粗しょう症による手首や大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)の骨折や腰椎(ようつい)の圧迫骨折が起きやすくなります。
治療
骨折の一般的な治療は、1)整復、2)固定、3)リハビリテーションです。
●整復
骨折した骨を本来あるべき位置にもどします。手や器具を用いた牽引(けんいん)によって戻す方法と手術によってもどす方法があります。骨折の状態や患者さんの年齢によって方法を選択します。
成長過程にある小児の場合、骨が成長するときに活発にはたらく組織である成長板への損傷を避けるために、牽引で行うことが一般的です。
●固定
ギプスで固定する外固定と手術による内固定があります。内固定は、患部を露出させて整復を行い、金属製のワイヤ、ボルト、プレートなどで骨を直接固定します。
これらの方法は、骨折部位、種類、程度、患者さんの年齢などによって選択されます。
●リハビリテーション
骨折とそれにともなう治療期間に動きが悪くなった関節、衰えた筋肉の回復のために行われます。
長いあいだ動かさずにいると機能が低下してしまうため、骨折が完全に治癒してからではなく、比較的早い時期から行われるのがふつうです。
とくに高齢者の場合、寝たきりにつながる危険が高まるので、リハビリテーションは重要です。
リハビリテーションは、患者さんの状態にあわせて医師や理学療法士が指導、援助します。
注意したいこと
もし、骨折が疑われる場合には、まず患部を動かさないように固定することです。
身近にあるものを副木(そえぎ)代わりにします。厚紙を丸めたり、定規やパイプ類、クッションなども使えます。腕や脚はなるべく心臓より高くして腫れを防ぎます。氷や保冷剤などを利用して患部を冷やすことも大切です。以上の応急処置をしたら、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。