痛風
[つうふう]
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受診するなら
血液中の尿酸値が高くなる高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)を放置していると、血液中で増えすぎた尿酸が関節に沈着します。
尿酸は針状の結晶なので、刺したような激しい痛みを生じます。これが痛風です。
患者さんの90%以上が男性ですが、食生活の変化によって女性も少しずつ増える傾向がみられます。
症状
激しい痛みと関節の炎症(痛風性関節炎)、結節(痛風性結節)などがおもな症状です。
関節の炎症は、どこの関節でも起こりますが、典型的な例は、足の親指のつけ根の関節に、突然、針を刺すような激しい痛みが起きるものです。
痛みとともに赤く大きく腫れあがります。突然起こることから、痛風発作とも呼ばれています。
症状のピークは24時間内で、1~2週間ほどでおさまるのがふつうです。しかし、そのままにしておくと必ず再発し、やがて慢性化します。
痛風性結節は、尿酸が軟骨の内外に沈着して「しこり」として、外から触れられるものです。
おもに耳たぶにできますが、そのほか足関節や肘関節、指などにもみられます。
結節は、痛みがあるものと痛まない場合があります。
原因
高尿酸血症が原因で起こります。人によって差はありますが、高尿酸血症になって5~10年たつと、痛風発作を起こすケースが多いものです。
高尿酸血症は、肉をよく食べる人、アルコールをたくさん飲む人に発症しやすくなります。
健康診断などでは、成人男性の約10%が尿酸値が高いといわれています。
治療
まず、日常生活の改善が必要です。
●食生活
1)総カロリーを制限する。
2)プリン体を多く含む肉類、内臓類、魚介類のとりすぎに注意する。
3)低脂肪乳製品や大豆を継続的にとる。これをポイントに、バランスのいい食事を心がけ、尿酸値の上昇を抑えます。
●アルコールは控える
どんな種類であっても、アルコールの飲みすぎは確実に尿酸値を上昇させます。お酒が尿酸の産生を高めるほか、お酒に含まれるプリン体も影響します。
●激しい運動を避ける
肥満予防のためには、適度な運動は欠かせません。しかし、強い負荷のかかる運動は、逆に尿酸値を上げることがわかっています。
ウォーキングやゆったりとした水泳や水中歩行など、自分に合った運動をおすすめします。
●水分を十分に取る
血液が濃縮すると、血清尿酸値が上がります。また、尿路結石が起こりやすくなります。
とくに、運動後や気温の高い夏場は水分補給を十分に行います。
次に、痛風発作が起きたときの治療法です。
症状を抑える消炎鎮痛薬を服用しますが、痛風発作は1~2週間でおさまるので、この期間だけの服用で十分です。
また、熱をもって赤く腫れあがった患部は、冷やしながら心臓より高く上げると、痛みが軽減されます。
日常生活を改善しても、なお尿酸値が高い場合は、尿酸値をコントロールする薬を内服します。
高尿酸血症は治りにくい病気なので、根気よく飲み続けることが大切です。
注意したいこと
痛風発作は1~2週間でおさまるので、発作が出ていないときは注意を怠りがちです。
とくに働き盛りの男性に患者さんが多いので、無理をしてしまうようです。
しかし、痛風=高尿酸血症を放置すると、腎不全(じんふぜん)や尿路結石(にょうろけっせき)、尿毒症(にょうどくしょう)などの合併症を起こすことがあるので、くれぐれも注意しましょう。