病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

パニック障害
[ぱにっくしょうがい] こころの病気・他 こころの病気・他

受診するなら

精神科・心療内科

なんの前触れもなく突然、強い不安感や恐怖感に襲われます。
心臓がどきどきして張り裂けそうになる、体が震えるといった症状が現れ、「自分は死ぬのではないか」という強い恐怖を感じます。
一度こうした発作を体験すると、また起こるのではないかと不安になり、それが引き金となって発作をくり返します。
男女比でみると、女性のほうがやや多くみられます。

症状

突然起こる不安や恐怖によって、動悸(どうき)、めまい、呼吸困難、からだの震え、発汗などの症状が現れます。これをパニック発作といいます。
一度パニック発作を経験すると、「また同じ状態になったらどうしよう」という不安が強まります。これを予期不安といいます。予期不安がパニック発作を引き起こすという悪循環が起きるのが、パニック障害の特徴です。
また、以前にパニック発作を起こした場所や状況に対して、強い不安感を抱き、そうした場所や状況を避けようとするケースもあります。これを広場恐怖と呼びますが、バスや電車、飛行機、エレベーター、病院、映画館、会議室など、人ごみや一人きりになる場所や状況が多いものです。ただ、広場恐怖は、パニック障害の人がすべて感じるものではありません。

原因

几帳面、心配性といった性格が関係すると考えられますが、患者さん個々の背景は千差万別で、はっきりとした原因はわかっていません。

治療

パニック障害の治療には、薬物療法、認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)、生活習慣の改善などがあります。
薬物療法では、不安や緊張をやわらげる作用のある抗不安薬と抗うつ薬などを用います。これらの薬で強い症状を緩和しながら、認知行動療法を行うことが一般的です。
認知行動療法は、「行動することよって誤って身についた学習(認知)を正しい方向へ導く」治療法です。専門医の指導のもとで行われるもので、不確かな知識で勝手に行ってはいけません。症状を悪化させる危険があります。
生活習慣の改善が必要なのは、睡眠不足や精神的なストレスは、パニック障害の誘因になるためです。規則正しい生活を基本に、自分なりの気分転換の方法を見つけて緊張をほぐします。

注意したいこと

パニック障害の改善には、時間がかかることがあります。 決してあせらず、医師のアドバイスを受けながら、気長にかまえましょう。
また、正しい診断がなされずに、過喚気症候群(かかんきしょうこうぐん)自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)などと診断され、パニック障害が見過ごされる場合が少なくありません。
受診にあたっては、必ず精神科あるいは心療内科の専門医を訪ねてください。