病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

皮膚がん
[ひふがん] 体の病気 皮膚

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皮膚科

白色人種に多く見られる皮膚がんですが、近年は日本人にも年々発生数が増えています。皮膚がんには、いろいろな種類がありますが、代表的なものにつぎのものがあります。

基底細胞がん

日本人の皮膚がんの中でもっとも多くみられるがんで、中高年の顔などに多く発生します。長年にわたって紫外線にさらされることが大きな原因と考えられています。

●症状
はじめは、黒褐色で光沢のあるほくろやいぼのようなものができます。やがて徐々に大きくなり、表面がただれてくずれます。 このがんは、ほとんど転移はしませんが、進行していくと皮膚の下や筋肉や骨まで侵入していくので早めに治療を受けることが大事です。

治療
手術で患部を完全に切除できれば完治が期待できます。

有棘(ゆうきょく)細胞がん

中高年の手の甲や顔に多く発生みられます。長年にわたって紫外線にさらされたり、やけどなどの傷跡、放射線治療の慢性皮膚炎などから生じやすいことが知られています。また、高齢者の顔や手の甲など日光に当たる部分に多く見られる日光角化症(表面がカサカサして盛り上がっている褐色または赤褐色の色素斑)は、有棘細胞がんができる一歩手前で起こる前がん状態だといわれています。

●症状
有棘細胞がんは、最初はかたいイボ状のしこりができます。最初から潰瘍(かいよう)をつくる場合もあります。やがて悪臭をともないます。

治療
転移がなく、手術でがんの部分を完全に切除できれば完治します。転移がある場合は、化学療法、放射線療法が行われます。

メラノーマ(悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)

メラノサイトという細胞のがんで、転移しやすく進行度の高い腫瘍です。顔や首のほか、日本人は足の裏手のひら、爪の下など、慢性的に刺激を受けやすい部位などに多くみられます。紫外線とともに外的な刺激もメラノーマ発生の要因として考えられています。

●症状
大きさ、形はさまざまです。一般に濃い褐色か黒色のほくろのようなものが、短期間のうちに目立って大きくなるような場合は、要注意です。早期発見が非常に大事ですから、気になるものがあれば、すぐに皮膚科専門医に相談をして診てもらいましょう。

治療
手術治療が中心です。悪性細胞の取り残しがないように、広範囲切除が原則です。

●注意したいこと
皮膚がんの原因のひとつが紫外線です。皮膚がんを予防するには、紫外線を浴びる量や機会を減らすことです。年間を通して紫外線対策をとりましょう。
また、早期発見・治療も大事なポイントです。日ごろから皮膚を観察して、少しでもおかしなところがあれば、皮膚科を受診して調べてもらいましょう。