変形性股関節症
[へんけいせいこかんせつしょう]
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受診するなら
股関節の軟骨がすり減ったり、関節の形態が変形して痛みや機能障害が起こります。
日本人には、先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)や股関節の屋根にあたる臼蓋(きゅうがい)のかぶり方が浅い状態の臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)が多く、これが原因で発症するケースもよくみられます。
症状
おもな症状は、運動時の痛みです。股関節の変形や軟骨のすり減りぐあいによって、痛みの程度や運動機能の状態が変わってきます。
変形の進行度によって4期にわけられ、それぞれの症状は次のとおりです。
● 前股関節症
臼蓋の形成不全はありますが、骨の変性はなく軟骨も十分に残っている状態。
長く立っていたり歩くときに、股関節が重い、だるいと感じられたり、軽い痛みがありますが、少し休むと症状は消えてしまいます。
● 初期股関節症
軟骨が少しすり減り、関節のすき間も狭くなります。
股関節の動きがやや悪くなり痛みも増してきますが、休めば痛みはなくなる程度です。
● 進行期股関節症
関節のすき間があきらかに減り、大腿骨の骨頭や臼蓋に骨棘(こっきょく)という棘状の骨の突起ができます。痛みは強くなり股関節の動きも制限されてきます。
歩いたあと、休んでも痛みが続くようになります。正座やあぐら、靴下の着脱や爪切りなどが難しくなります。
● 末期股関節症
軟骨はまったくなくなり、骨の変形もさらに進みます。痛みはひどくなり、日常生活の不自由が増えて歩行も困難になります。左右の脚の長さに差がでることもあります。
原因
加齢にともない長年酷使したことが原因となるほか、先天的な股関脱臼や臼蓋形成不全などが原因になります。
治療
まず、股関節にかかる負担を軽減することが基本です。過度な運動を避け、適正な体重を保つことが必要になります。股関節の周囲や大腿部の筋肉の強化も有効です。
歩くときに体が左右に揺れる人は、杖の使用で股関節への負担を軽くすることができます。
関節症が進行して日常生活が困難になった場合は、手術を選択することもあります。
手術は、症状や患者さんの生活スタイルに合わせていくつか方法が考えられますが、最近では人工関節置換術の技術の進歩によって、この方法を選択する人も増えています。
手術をするかしないか、手術法はどうするかなどは、主治医とよく相談して決定します。