病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

尿路結石
[にょうろけっせき] 体の病気 泌尿器(腎臓・尿)

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泌尿器科

腎杯(じんぱい)、腎盂(じんう)、尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道のどこかに石ができる病気を尿路結石といいます。結石のできた部位によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。
結石の大きさは、肉眼では見えないものから直径が2.5センチ以上あるものまでさまざまです。結石が尿の通り道をふさぐため、尿流障害、痛み、出血、感染症などを引き起こします。

症状

結石があっても、ごく小さい場合は無症状のことが多いものです。しかし、ある程度の大きさになったり場所を移動したりすると、突然、激痛が起こります。
腎盂や尿管など、尿が流れる管が結石でふさがれると、腰から背中にかけての痛みや腎疝痛(じんせんつう)が生じます。腎疝痛(じんせんつう)は間欠的にくり返される激しい痛みがわき腹、腰、下腹部に起こり、鼠径部や太ももの内側まで広がるのが特徴です。
また、肉眼あるいは顕微鏡によって血尿がみられる場合もあります。

原因

結石の多くは、尿の成分であるシュウ酸、リン酸などにカルシウムが結合したものです。
結石は、高血圧などの病気、食事が高たんぱく質の場合、水分摂取が不十分であることなどが原因になると考えられます。

治療

小さい結石で、痛み、尿路閉塞、感染などを引き起こさない場合は、とくに治療の必要はありません。大量の水分を摂取して尿量を増やし、自然に排泄されることを期待します。
直径が1センチ以上になると、鎮痛や結石の排出を促すことを目的として、尿管を弛緩(しかん)させる鎮座薬や結石溶解薬を用います。利尿剤を併用する場合もあります。
それでも排出されない場合は、体外衝撃波結石破砕術(たいがいしょうげきはけっせきはさいじゅつ)=ESWLという、音波の1種を利用して結石を粉砕する方法をとります。破砕術後は、大量の水分を摂取して、結石の破片を尿とともに排出します。
術後は血尿や腹部の内出血がみられますが、一時的なことで大きな副作用は起こりません。

注意したいこと

尿中のシュウ酸濃度が高いと、結石ができやすくなります。ほうれん草、たけのこ、ココア、お茶など、シュウ酸を多く含む食品は食べすぎないように注意しましょう。
また、尿酸値を上げる、肉、魚などの動物性脂肪の摂取も控えます。