病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

胆のう炎・胆管炎
[たんのうえん] 体の病気 肝臓・胆のう

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消化器科、内科
人体の内臓(消化器)

胆のうや胆管が細菌感染によって炎症を起こす病気で、多くは胆石症がきっかけになります。
急性と慢性があります。
胆のう炎と胆管炎が合併して起こることが多く、2つを合わせて胆道感染症と呼ぶこともあります。

胆のう炎

●症状
急性の症状として、食後、数時間して胆石症と同じような右上腹部の痛み、吐き気、悪寒、高熱がみられます。右上腹部のはれや、尿の色が濃くなったり、黄疸がみられることもあります。
慢性の場合は、無症状のこともありますが、ときどき食後、右上腹部に軽い痛みを感じます。突然、急性胆のう炎の症状を示すこともあります。

●原因
ほとんどが細菌による感染が原因です。胆石が胆のう管に詰まり、胆汁の流れが悪くなりそこに細菌が感染して起こるものです。

●治療
症状が軽い場合、安静にして絶飲食を守り、点滴、抗生物質、鎮痛剤などで治療します。胆石症の場合は、胆のうを摘出します。黄疸がでたり、症状が強い場合は、おなかに管を入れて胆のうにたまった膿を出したり(胆道ドレナージ)、胆のうを摘出する手術を行います。
慢性の場合は、経過を観察し、強い痛みが続くときは胆のうの摘出を考えます。

●注意したいこと
天ぷらや中華料理など脂肪分の多い食事をとり過ぎない、マヨネーズなど脂分の多い調味料を使い過ぎない、暴飲暴食をしない、過労を避け、規則正しい生活を心がけます。

胆管炎

●症状
急性では、右上腹部の痛み、悪寒、発熱、黄疸が主症状です。胆管が詰まって急激に重症化すると敗血症を起こして全身に細菌がまわり、血圧の低下や意識障害を起こします。命にかかわります。
慢性の場合は、痛みはほとんどありません。発熱や黄疸がでたり消えたりをくり返します。

●原因
ほとんどが細菌による感染が原因です。胆管に胆石が詰まったり、胆管のがんによって胆汁の流れが滞り、そこに細菌が感染して起こります。

●治療
症状が軽い場合、安静にして絶飲食を守り、点滴、抗生物質、鎮痛剤などで治療します。
高熱や黄疸をともなうときや重症化したときは、おなかから管を入れて胆管にたまった膿を排出(胆道ドレナージ)します。総胆管結石が原因の場合は、内視鏡を使って結石を取り除きます。
慢性の場合は、抗生物質や鎮痛剤などを症状に応じて使います。

●注意したいこと
天ぷらや中華料理など脂肪分の多い食事をとり過ぎない、マヨネーズなど脂分の多い調味料を使い過ぎない、暴飲暴食をしない、過労を避け、規則正しい生活を心がけます。