病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

潰瘍性大腸炎
[かいようせいだいちょうえん] 体の病気 消化器(胃・腸)・肛門

受診するなら

消化器科、内科

大腸の粘膜がただれたり潰瘍を起こす病気です。原因は不明です。
進行はゆっくりで、症状がよくなったり悪くなったりをくり返すことがあります。
治りにくい病気で、さまざまな合併症を引き起こします。大腸に狭くなる部分ができたり、大出血を起こしたり、穴があいたりといった局所的なものから、関節炎や口内炎膵炎などの全身的な合併症があります。
この病気は特定疾患(難病)に指定されていますので、確定すれば医療費の援助が受けられます。

症状

下痢や腹痛をくり返し起こし、やがて症状が進むと粘血便や血便がみられます。発熱や瀕脈、食欲不振、貧血などもあらわれます。ときに口内炎や関節炎なども起こってきます。症状がよくなったり、悪化したりをくり返す場合や、症状がおさまらずに続く場合もあります。

原因

遺伝や免疫の異常などが考えられていますが、原因は不明です。

治療

症状がないときは、刺激の強い食品を除き、普通の食事ができます。
症状のあるときは、タンパク質を中心に消化のよいものをとり、香辛料や刺激物、繊維質のもの、魚以外の脂ものは控えます。精神的ストレスを避け、心身の安静をはかります。
薬物療法として、ステロイドや免疫抑制剤や状況によっては整腸剤、下痢止め、抗不安薬、抗アレルギー薬などを使います。 白血球除去療法も行われます。
薬物療法の効果がない場合や、大腸に穴があいたり大出血を起こすなど重症の場合には、大腸の切除術を行います。人工肛門をつくらずに、肛門を温存する手術も可能になりました。

注意したいこと

病状を悪化させないために、香辛料やコーヒー、アルコールなど、大腸を刺激する飲食物や脂ものは控えます。
ストレスをためない、睡眠を十分に取る、過労を避けるなど、心身の安静をはかりましょう。病気についてあまり神経質にならないようにすることも大切です。