過敏性腸症候群(IBS)
[かびんせいちょうしょうこうぐん]
体の病気 消化器(胃・腸)・肛門
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- 直腸脱
- 痔
- 肛門そう痒症
受診するなら
腹痛とともに便秘や下痢、ガスがたまっておなかが張るなどの症状を繰り返します。
検査をしても腸内にはその原因となるがんや潰瘍、炎症などは見当たりません。
症状
おもな症状は便通の異常です。あらわれ方によって4つに分けられます。
●不安定型
腹痛やおなかの不快感、便秘と下痢が数日間隔で交互にあらわれます。交代性便通異常ともいいます。
●慢性下痢型
慢性的に下痢が続きます。粘液が混じることはあっても血便はありません。腸の動きが活発で蠕動運動がでやすいのです。食事のたびごとに下痢が起こることがあります。
●分泌型
強い腹痛に続いて大量の粘液を排泄します。脱肛などの痔になりやすく、出血で化膿することもあります。
●ガス型
強いストレスのためにガスがおなかにたまります。ガスが頻繁にでる場合とガスがたまって苦しい場合があります。また、下痢や軟便が1日に数回あり、便の量は少なく、便をしたい気持ちがあるのにでません。
いずれの型も腹痛があり、大腸だけでなく、胃や小腸などの消化器全体に機能異常が認められます。通勤や通学途中、会議の前などのように、緊張する場面で症状が出やすく、休日や自宅でリラックスしているときは正常に戻ります。
原因
おもにストレスが原因です。ストレスにより自律神経失調状態になると、腸液の分泌異常が起こり、便通に異常が生じます。神経質な人や精神的に不安定な人に起こりやすいとされています。
また、予期不安といって、一度、人前で下痢など恥ずかしい経験をすると、トイレのない場所や長時間トイレにいけない状況になると、かえって下痢をしてしまうという一種の不安障害が原因になることもあります。
治療
腸内環境を整える整腸剤で症状を改善しながら、ストレスとなっている原因を解明し、その緩和をはかります。抗不安薬や精神安定剤が処方されることもあります。
注意したいこと
できるだけ消化のよいものを食べるように心がけ、刺激物や繊維質の多い食品は控えましょう。ビタミンやミネラルをしっかり摂り、脱水症状を防ぐために水分補給も忘れないようにします。
ただし、食べ物に対して神経質になりすぎると、かえってそれがストレス要因になることもあるので、神経を使いすぎないようにすることも大切です。