病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

過換気症候群
[かかんきしょうこうぐん] 体の病気 循環器(心臓)・呼吸器(肺)

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心療内科

とくに病気はないのに、発作的に速い呼吸を繰り返す「過呼吸」を起こすものです。
思春期以降の若い女性に多くみられ、ストレスや不安が関係しているといわれています。
一度発作を起こすと「また同じことが起こるのではないか」と不安がつのり、それがストレスとなって繰り返すこともあります。

症状

急に息が苦しくなって動悸が起こり、速くて浅い呼吸を繰り返すうちに頭痛やめまい、口の周りや手足のしびれなどが起こってきます。
不安感からさらに大きな呼吸をすることで、症状がますますひどくなります。倒れたり、意識を失って救急車で運ばれるケースも少なくありません。
しかし、病院に着くころは発作がおさまっていることがほとんどです。

原因

不安や興奮、緊張などの精神的なストレスがあるとき、また過労や痛みなど肉体的なストレスがきっかけで起こるといわれています。
ストレスがかかると呼吸をつかさどる自律神経のバランスが崩れて、発作的に過呼吸をしてしまうことがあります。その結果、一時的に血液中の二酸化炭素濃度が低くなって脳への血流が減り、手足のしびれやめまいなどの症状が起こってくるのです。

治療

治療では、ゆっくりとした呼吸の指導を行います。
過換気症候群は、速い呼吸をくり返すことで起こるのですから、発作が起こったときは、紙袋やビニール袋を使って呼吸するペーパーバッグ法で呼気のCo2を吸うことで治まります。
それ以上大きな呼吸をしないように、自分で呼吸をコントロールすることが発作の予防につながります。
さらに、必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬などを用いたり、専門家による精神療法を行います。