病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

肺炎
[はいえん] 体の病気 循環器(心臓)・呼吸器(肺)

受診するなら

呼吸器科、内科

細菌やウイルスなどの病原体によって、肺に炎症が起きた状態です。
多くはかぜやインフルエンザに引き続いて発症します。高齢者は重症化しやすく生命の危険もある病気なので注意が必要です。かぜのあと、3~5日以上、熱、せき、痰などの症状が続く場合は、肺炎を疑って受診しましょう。

症状

鼻水やのどの痛みなどに続いて、発熱、悪寒、せき、痰(たん)、胸痛などが現れて数日間続きます。
しかし、高齢者では食欲不振や元気がないといった様子がみられても、熱などの特徴的な症状が現れないこともよくあります。気がついたら病状が進んでいることがあるので、注意が必要です。
病状が重くなると、呼吸困難や意識障害などを招き、生命にかかわるケースもあります。

原因

細菌やウイルス、マイコプラズマやクラミジアなど、さまざまな微生物が原因となります。
多く見られるのは細菌性の肺炎で、中でも肺炎球菌によるものが多くを占めています。肺炎球菌は、健康な人の口の中に常在していることが多く、体の抵抗力が低下すると活発に活動して肺炎を引き起こします。
ほかに、高齢者の場合は、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)があります。食べ物や飲み物を飲み込む力が弱くなると、誤って飲食物を気管支のほうに誤飲してしまうことがあります。そのときに細菌が肺に入って肺炎を起こすことを誤嚥性肺炎といいます。
肺炎はほかに、入院患者が抵抗力が落ちて病院内でかかる院内肺炎などがあります。

治療

安静と保温、抗生物質による治療を行います。症状によっては入院が必要です。

注意したいこと

インフルエンザに引き続いて肺炎を起こすことが多いものです。肺炎球菌による肺炎は、ワクチンを接種することで予防が可能です。
高齢者や心臓や呼吸器に疾患のある人、糖尿病の人など、肺炎にかかると重症化するリスクの高い人は、インフルエンザワクチンとともに肺炎球菌ワクチンを接種しておくとよいでしょう。
なお、肺炎球菌ワクチンの予防接種は1年中いつでもできます。主治医に相談をしてください。