病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

高血圧症
[こうけつあつしょう] 体の病気 循環器(心臓)・呼吸器(肺)

受診するなら

内科、循環器科

最高血圧(収縮期血圧)が130mm/Hg以上、最低血圧(拡張期血圧)が85mm/Hg以上の場合を高血圧といいます。

血圧が高い状態が続くと、動脈硬化を起こしやすく、ひいては脳卒中、心筋梗塞の発症につながりかねません。これといった症状もなく静かに命にかかわる病気を引き起こすということからサイレントキラーとも呼ばれています。

日本人の3人に1人が高血圧とされています。
高血圧の中には、「白衣(はくい)高血圧」「仮面高血圧」と呼ばれるものがあります。
「白衣高血圧」は、医療機関で血圧を測ると、それだけで精神的ストレスを感じてふだんより高くなり基準値を超えてしまうことです。受診のとき、白衣高血圧の人は家庭で測定した記録を持参するとよいでしょう。
「仮面高血圧」は、昼間、医療機関で測る血圧は基準値内ですが、夜間や早朝に高血圧になるというものです。医師の目には見えないという意味で仮面高血圧と呼ばれ、危険度の高い高血圧といえます。

高血圧は、原因によって2つにわけられます。血圧の高い原因がよくわからない「本態性高血圧」と、血圧を上げる原因となる疾患がある「二次性高血圧」です。高血圧の9割は、原因がはっきりしない本態性高血圧といわれています。

本態性高血圧

日常生活における運動不足や肥満、食事の塩分過多、喫煙、多量の飲酒などの生活習慣によって慢性的に高血圧になっている状態です。加齢や体質が影響することもあります。

●症状
ほとんどの人には目立つ症状はありませんが、のぼせ、めまい、頭痛、肩こり、動悸を感じることもあります。

●治療
肥満や運動不足の解消、塩分を制限した食事、節酒、禁煙といった生活習慣の改善を行います。それでも血圧が下がらない場合は薬物療法を行います。

●注意したいこと
家庭で血圧を測定する場合は、朝と夜の2回行います。家庭用の血圧計は各種市販されていますが、医療機関と同じような二の腕で測定する血圧計がよいとされています。
安静な状態で座り、心臓と同じ高さに血圧計を置いて測ります。
血圧は1日の中でも常に変動しているので、測定値が1回くらい高くても「高血圧」と判断することはできません。何度か測定して自分の平均的な血圧を知ることが大切です。

二次性高血圧

何らかの病気のために高血圧が起こっている状態です。高血圧を引き起こす病気としては、睡眠時無呼吸症候群、血圧を調整している腎臓の病気、ホルモンの分泌などにかかわる内分泌系の病気、脳腫瘍などの脳・神経系の病気、妊娠高血圧症候群などが疑われます。

●症状
原因となる疾患の症状のほか、のぼせ、めまい、頭痛、肩こり、耳鳴り、動悸などを感じることがあります。

●治療
原因疾患の治療を行います。