病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

脳腫瘍
[のうしゅよう] 頭部の病気 頭・脳・耳

受診するなら

脳神経外科

脳だけでなく、頭蓋内にできた腫瘍(しゅよう)をまとめて脳腫瘍と呼び、良性と悪性があります。
頭蓋内から発生した腫瘍を「原発性脳腫瘍(げんぱつせいのうしゅよう)」、ほかの臓器のがんが頭蓋内に転移した場合を「転移性脳腫瘍(てんいせいのうしゅよう)」といいます。

症状

脳腫瘍がある程度の大きさになると、脳の内圧が上昇し、頭痛、おう吐、目がかすむ(視力障害)といった共通の症状があらわれます。これを頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)症状といいます。
脳腫瘍の頭痛では、朝の起床時に頭痛が起こることが多く、初めは不定期ですが、しだいにいつも頭痛を感じるようになります。また、食事とは関係なく吐き気やおう吐があるときも要注意です。これらの症状があるときは、脳腫瘍を疑って早めに受診をしてください。
そのほか、症状は腫瘍ができた場所によっても違います。
頭痛、おう吐、視力障害などに加えて、手足のマヒ、熱い、冷たいなどの感覚が鈍る感覚障害や言語障害、けいれんなど全身にさまざまな症状があらわれます。
ホルモン分泌にかかわる脳下垂体(のうかすいたい)に脳腫瘍ができると、月経の異常や乳汁分泌、不妊症などや顔貌や体型の変化などもあらわれます。
また、性格の変化や判断力の低下などが脳腫瘍の初期症状としてあらわれることもあります。

治療

脳腫瘍が疑われる場合は、CT検査、MRI検査などの画像検査を行います。
画像検査により、腫瘍のある部位、大きさ、性状などがわかります。PET(ペット)やSPECT(スペクト)などを行えば、より詳しい情報が得られます。必要に応じて、眼底(がんてい)検査、脳血管撮影、脳波検査、腫瘍マーカーなどを行って診断を確定します。
治療は腫瘍の場所や性質によっても異なりますが、基本的には手術が基本になります。ただし、手術だけで腫瘍を摘出できるとは限りません。とくに悪性腫瘍の場合は、手術だけでなく、放射線療法、化学療法、免疫療法などを組み合わせて治療します。
腫瘍の大きさや数、発生部位によっては、頭開手術をせずに、ガンマナイフやサイバーナイフと呼ばれる定位放射線治療を行う医療機関も増えてきました。これは、周囲の正常組織への影響を最小限にして、腫瘍だけにピンポイントで放射線を照射して腫瘍を破壊する治療法です。