膠原病(関節リウマチ)
[こうげんびょう]
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膠原病とは、全身のさまざまな臓器に抗原抗体反応が起こる原因不明の病気をまとめてさす言葉で、1つの病気の名前ではありません。
「全身性エリテマトーデス(SLE)」「全身性進行性硬化症(ぜんしんせいしんこうせいこうかしょう)(強皮症)」「関節リウマチ」「シェーグレン症候群」が含まれます。
これらの病気は、治療法が異なるので、専門医の治療を受ける必要があります
全身性エリテマトーデス(SLE)
全身の皮膚、関節、腎臓、神経などさまざまな臓器に慢性的な炎症が起こる病気で、患者の9割は女性です。20~30歳代に多くみられます。
●症状
倦怠感、発熱のほか、顔や手足の発赤、手足が冷えて指先が白くなるレイノー現象、関節やリンパ節の痛み、口腔や舌の粘膜の異常などがあらわれますが、症状のあらわれ方は一人ひとり違います。
重篤な場合は、胸膜、肺、心膜、肝臓、腹膜、腎臓、膀胱などの臓器の炎症、神経炎、血液異常などが起こります。
●治療
症状の程度やあらわれている部位にもよりますが、基本はステロイド薬を使います。
症状が軽く関節炎程度なら非ステロイド系の抗消炎薬の使用や経過観察だけですむこともあります。
全身性進行性硬化症(強皮症)
皮膚がこわばってかたくなる病気です。
●症状
手足が冷えて指先が白くなるレイノー現象があらわれます。
皮膚の硬化は、「むくむ→かたくなる→萎縮する」の段階で進行し、手の末端からはじまり、体の中心や顔に向けて広がります。
全身に広がらずに、手首くらいまででとどまることもあります。
皮膚がかたくなるので、ものがつまみにくくなったり、口が開きにくくなったりすることもあります。
関節症状としては、手のこわばりや、肘や膝などの関節痛、関節の可動範囲の現象などがあります。ときには、肺腺維症が起こったり、胸やけや下痢、便秘をくりかえしたり、間質性肺炎を起すことがあります。
●治療
根本的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
皮膚の保湿や保温、マッサージで、皮膚の硬化を遅らせます。
関節リウマチ
全身の関節に炎症が起こり、腫れて痛みます。症状は徐々に進行します。
男性より女性に多く、とくに30〜40歳代で多発します。
出産や閉経をきっかけに発病することがあります。
●症状
朝、目覚めたときに手がはれぼったく、指を曲げにくい「朝のこわばり」があらわれます。さらに、手の指の小さな関節や手首、足のゆびのつけ根などが痛み出し、しだいに腫れをともなうようになります。
微熱、倦怠感、食欲不振などがあらわれることあり、徐々に関節が変形して動きが悪くなります。
進行すると、肘や膝に結節ができたり、心臓、肺、腎臓に症状がでることがあります。
●治療
薬物療法が中心で、非ステロイド性抗炎症薬と抗リウマチ薬を服用しながら、運動療法やマッサージなどを行います。
シェーグレン症候群
涙腺や唾液などに炎症が起こって、涙や唾液が出にくくなる病気です。
●症状
目
涙の分泌量が減少して目が乾きます。異物感や痛みを感じます(ドライアイ)。
口腔
唾液の分泌が少なくなり、口や舌が乾きます(ドライマウス)。
そのため、食事がしにくくなります。両耳やあごの下が腫れて、発熱することもあります。
腟
腟の分泌液が少なくなり、腟内が乾き、性交痛が起こります。
その他/関節が痛んだり、間質性肺炎、腎臓の炎症が起こることもあります。
●治療
対症療法が中心となります。目の乾燥には涙と同じ成分の点眼薬、口の中の乾きには人工唾液などを用いて症状をやわらげます。関節痛には消炎鎮痛剤が処方されます。