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病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

乳がん
[にゅうがん] 女性特有の病気 乳房

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乳腺外科、外科
乳房の構造

[乳房の構造]

乳腺の上皮細胞にできた悪性の腫瘍です。がん細胞が発生する部位によって、「乳管(にゅうかん)がん」と「小葉(しょうよう)がん」に分けられます。
乳頭や乳輪にただれが起こる「パジェット病」という特殊な乳がんもあります。がん細胞が乳管や小葉にとどまっているものを「非浸潤(ひしんじゅん)がん」、外の組織にまで広がったものを「浸潤(しんじゅん)がん」といいます。

日本では乳がんにかかる女性が年々増えていて、今は12人に1人が乳がんにかかるといわれています。しかも、若い年代がかかるのが大きな特徴です。
発症は、30歳代から急増し、40歳代後半が発症のピーク。30~60歳代の女性で発見されるがんの中では、もっとも死亡者数が多くなっています。
乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっています。現代女性は妊娠回数が少なく月経の回数が多いために、エストロゲンの分泌期間が長くなるのが、乳がんの発症率が高くなる一因と考えられています。

症状

初期はほとんど自覚症状がありません。がん細胞が増殖するにつれ、乳房にしこりが触れるようになります。また、乳頭から血液の混じった分泌液が出たり、乳頭や乳輪がただれたりすることもあります。
がんが皮膚の近くに発生した場合は、皮膚の引きつれが起こったり、乳頭が陥没したりすることもあります。

原因

はっきりした原因はわかっていませんが、卵胞ホルモンのエストロゲンがかかわっていると考えられています。なお、過去に乳がんにかかったことのある人や、乳がんにかかったことがある人がいる家系の人はリスクが高くなるといわれています。

検査と診断

問診のほかに以下の検査をして診断を確定します。

視触診
専門医が直接乳房に触れたり目で見て、しこりや引きつれ、くぼみがないか、乳頭からの分泌物の有無、皮膚の状態などをチェックします。

マンモグラフィ検査

[マンモグラフィ検査]

マンモグラフィ検査
乳房内部を撮影するX線画像検査で、手に触れない1cm以下の小さなしこりや、触診ではわからない「微細石灰化」の段階で乳がんを発見することができ、乳がんの早期発見に有効とされています。検査では、乳房を圧迫板というアクリル板とフィルムの入った板の間に挟んで圧迫し、乳房を平らにして撮影します。

超音波(エコー)検査

[超音波(エコー)検査]

超音波(エコー)検査
超音波を乳房にあてて、はねかえる反射波(エコー)を画像化する検査で、放射線被爆や痛みがないメリットがあります。マンモグラフィ検査同様、手に触れないような小さなしこりを見つけることができ、ある程度、しこりの性質についても判断することが可能です。のう胞など良性のしこりがよくみえます。検査は、乳房にゼリーを塗って超音波をあて、モニターに画像を映し出します。

細胞診
マンモグラフィ検査や超音波検査の結果、疑わしい部分があったときや、がんとの識別が必要なときに行われる検査です。検査は、しこりに針を刺して細胞を吸引する「穿刺吸引細胞診」、乳頭からの分泌物を採取する「分泌物細胞診」などを行い組織を調べます。

組織診(生検(せいけん)
最終的に腫瘍が悪性か良性かを判断するために行う検査です。
検査には、乳房を切開してしこりの一部もしくは全部をとる「外科的生検」、しこりに直径1~2mm程度の針を刺して組織を採取する「針生検」、直径3~4mm程度の太い針(マンモトーム®)で組織を取る「マンモトーム生検®」の3つがあり、すべて局所麻酔をかけて行います。
乳房に大きな傷を残すことなく検査ができるので、現在は、「針検診」や「マンモトーム生検®」が主流になっています。

治療

手術でがんを取り除きます。がんの大きさや進行度にもよりますが、現在は「乳房温存手術」といって、乳房を残して患部のみを取り除く方法が主流です。
ただし、がんが大きいときや進行が進んでいるような場合では、がんを含めて乳房全体を切除する「乳房切除」が必要になることもあります。その場合でも、手術前に抗がん剤を利用して、がん細胞を小さくし、乳房温存手術が適応できないかを検討します。
手術後は、放射線療法や抗がん剤を使った化学療法、ホルモン療法などを併用して再発の予防につとめます。

注意したいこと

がんが発見され、手術する場合は、その方法について医師とよく話し合い、納得した上で選択するようにします。セカンドオピニオンをとることも1つの方法です。
早期発見のためには、乳がんの危険年齢である30~35歳からは、毎月1回自分で行う自己検診と年に1回定期的に医療機関で受ける乳がん検診が欠かせません。
血縁に乳がんがいる場合には、もっと早くはじめます。触診だけでは早期発見はむずかしく、乳がん検診としては不十分です。必ず画像検査(乳房超音波検査、マンモグラフィ検査)も行っている医療機関で乳がん検診を受けてください。