月経困難症
[げっけいこんなんしょう]
女性特有の病気 月経の異常
受診するなら
月経時に、下腹部痛や腰痛、頭痛、倦怠感などの不快な症状が出るのは珍しくありませんが、その症状が非常に強く、日常生活に支障をきたす状態をいいます。
症状
月経ともに、下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、めまい、倦怠感などのつらい症状があらわれます。
月経にともなって起こるさまざまな不調
下腹部痛・腰痛、吐き気
、頭痛、足腰の冷え、下痢、食欲減退もしくは過食、おなかの張り、ねむけ、むくみ、憂うつ、手足のしびれ、イライラ、不眠、倦怠感、のぼせ、めまい
原因
原因によって、「器質性(きしつせい)月経困難症」と「機能性(きのうせい)月経困難症」に分けられます。
「器質性月経困難症」は、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜症
(しきゅうないまくしょう)など、子宮や卵巣の病気が原因のものです。
「機能性月経困難症」は、とくに原因となる病気がないものをいいますが、子宮内膜がはがれるときに生成されるプロスタグランディン*という痛み物質の分泌量が多いことが考えられます。また、出産経験のない場合、子宮の入り口がしっかり閉じられているため、子宮が収縮して月経血を出すのに大きな力が必要となり、痛みが強くなるのです。
治療
「器質性月経困難症」の場合は、原因となる病気の治療を行い、痛みをやわらげるためには、鎮痛薬や漢方薬、低用量ピルなどが処方されます。
「機能性月経困難症」の場合は、鎮痛薬、漢方薬、低用量ピルなどで痛みをやわらげます。夜ふかしやストレス、かたよった食事、喫煙なども月経困難症を悪化させることがあるので、規則正しい生活と適度な運動を心がけることも必要です。
注意したいこと
痛みの感じ方には個人差がありますが、毎回、寝込んでしまうほどつらい場合は、子宮などの病気が原因であることもあるので、早めに医師に相談しましょう。
また、じょうずに鎮痛薬を使ったり、受診して自分の体質や症状に合った薬を処方してもらうことも大切です。
月経の痛みをやわらげる工夫をしよう!
●腰と背中を伸ばすストレッチ
あおむけに寝て、両手・両足を伸ばし、両手の指を組み、息を吐きながら腰と背中を十分に伸ばしましょう。
●両ひざをかかえるストレッチ
あおむけに寝て、両ひざをかかえて足を持ち上げ、できるだけあごに引きつけて、ゆっくりもとに戻します。あおむけがつらければ横向きで行ってかまいません。
●体側を伸ばすストレッチ
あおむけに寝て、左ひざを右側に倒しながら、顔に左向けて、からだの右側を十分に伸ばします。このとき、左肩が床から離れないようにするのがポイント。反対側も同様に行います。
●食生活
バランスのとれた食事を心がけます。血行をよくするはたらきのあるビタミンEを多く含むカボチャやトマト、ウナギ、ゴマなどを積極的にメニューに取り入れましょう。
●日常生活
足や腰を温めると血行がよくなり、痛みがやわらぎます。ぬるめのお湯のお風呂にゆっくりとつかったり、カイロなどでおなかや腰を温めてみましょう。
プロスタグランディン*
痛み物質で、子宮内膜の中で分泌されるホルモンの一種。子宮を収縮させるはたらきがあり、子宮内膜がはがれるときに生成されます。このプロスタグランディンが過剰に分泌されると、必要以上に子宮が収縮し、痛みが強くなるのです。