生活習慣改善
LIFESTYLE MODIFICATION

7.脱メタボをめざす生活改善のヒント 食事と高血糖メタボリックシンドローム 「応用編」

血糖値が気になる人は、主食や間食をほどほどに

インスリン抵抗性によって血糖値が上昇

*新しい糖尿病の基準は、2010年5月に正式決定される予定です。

食事をすると一時的に血糖値は高くなりますが、通常はインスリンが分泌されて血糖値を下げます。インスリンは膵臓から分泌され、血液中のブドウ糖を体内に取り込み、血糖値を下げる作用があります。
内臓脂肪がふえると、インスリンの働きが低下して、血液中のブドウ糖が過剰になり高血糖を引き起こします。さらに内臓脂肪の蓄積は、インスリンの働きを活性化する物質も減少させます。すると膵臓がインスリンをたくさんつくって血糖値を下げようとしても、うまく処理できなくなり、しだいに膵臓の機能も低下し高血糖におちいります。

主食(炭水化物)のとり過ぎが内臓脂肪をふやす原因

内臓脂肪をためないためには、糖質を減らすのが効果的。脂肪よりも炭水化物の方が体脂肪として蓄積されやすいのです。ただ、主食でもある米のごはんは欠かせない栄養素の1つ。まったく食べないのではなく、炭水化物の摂取は1日100g を目標にします。
主食をとらないでケーキやお菓子だけ食べるのは危険。急激に血糖値が上昇し脂肪をためこみやすくします。また、糖の吸収をゆるやかにする特定保健用食品なども上手に利用するのもよいでしょう。

何を食べるか、どう食べるかについて考えよう

内臓脂肪の多い人は、食べ過ぎ、脂質中心、主食が多い、野菜が少ないといった食生活の傾向がみられます。とくに外食がちな人は要注意。朝食抜きで昼はカツ丼とうどん、夜は居酒屋で揚げ物、飲酒後はラーメンといった生活は危険。食生活全体の見直しが必要です。
肥満防止のための理想的な摂取エネルギーの配分は、朝3・昼4・夜3です。また夜9時過ぎの食事は避けましょう。夕食が8時過ぎになりそうなときは、夕方6時前後におにぎり1個とゆで卵など200kcal 程度の「ミニ夕食」をとります。それによって空腹感を抑え夕食のドカ食いを避けることができます。

外食メニュー・食べ方の選択力のポイント

  1. [1] 不足がちな野菜を毎食とる
    定食を選び、煮物、おひたしなど1品でも野菜を加える習慣を。
  2. [2] 味つきの主食は食べ過ぎない
    ピラフや牛丼などの味つき主食は、脂分や塩分が多い。控えめに。
  3. [3] 脂分の少ない料理を
    肉ならヒレ肉を選んだり、揚げ物、炒め物は最小限に。
  4. [4] 和食・洋食・中華の特徴を知る
    和食は塩分が多い、中華は調理に油を使いがち、洋食は脂質過剰。
  5. [5] 魚介類をたっぷりとる
    サンマ、サバなどの青背魚を食べて善玉コレステロールをふやす。
  6. [6] インスタント食品を上手に利用する
    即席メンに野菜を加えたり、バランスよく食品を選択する。
  7. [7] 調理パン、菓子パンよりサンドイッチ
    調理パンなどは油脂類や糖質のとり過ぎに。野菜サンドを選んで。
  8. [8] コンビニ弁当、おにぎりにはプラス1品
    弁当におひたし、おにぎりにサラダ、きんぴらなどで栄養バランスを。

主な外食メニューのエネルギーと脂質

1人前の目安です。商品や調理法などによって数値が異なることがあります。

エネルギー脂質
天ぷらそば586 kcal17.3g
天丼721 kcal18.8g
うな重792 kcal31.8g
アジフライ定食767 kcal25.2g
鶏から揚げ弁当748 kcal33.8g
焼き肉弁当836 kcal30.0g
とんこつラーメン485 kcal9.9g
五目焼きそば658 kcal27.7g

(外食用ヘルスカウンター(監修/山田信博 谷口雅子))

炭水化物100gに相当する食品

穀物お菓子
ごはん約2杯弱(454kcal)大福約2.7 個(447kcal)
もち約4切れ(468kcal)ようかん約0.6本(423kcal)
うどん約1.6 杯(486kcal)シュークリーム約7.5 個(1100kcal)
食パン約3.5 枚(565kcal)ドーナツ約4.5 個(882kcal)
ラーメン約1.7 杯(510kcal)
クロワッサン約4 個(1021kcal)

医学監修
医学博士 工藤一彦