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CHECKUP GUIDE

子宮体がん検診女性特有の検査

検査名称

経腟(けいちつ)超音波、子宮体部細胞診(たいぶさいぼうしん)

どんなときに受ける?

・40代以上の人
・年齢にかかわらず月経不順の人、子宮内膜増殖症(しきゅうないまくぞうしょくしょう)と診断された人
・不正出血があった人(とくに閉経後に不正出血があった人は必ず検査を)

どんな検査?

子宮体がんは、子宮の内側を覆う内膜から発生するがんで、40代から増えてきます。子宮体がん検診は、細胞診(さいぼうしん)経腟(けいちつ)超音波検査を組み合わせて行う検診が有効です。
なお、子宮体がんと子宮頸(けい)がんは発生する場所が違うので、子宮頸がん検診では子宮体がんの異常を見つけることはできません。自治体などで行う子宮がん検診は、おもに子宮頸がん検診です。リスクが高まる40歳後半からは、子宮頸がん検診といっしょに子宮体がんもチェックしてもらいましょう。
子宮体がんは、がんの進行が0期の段階から不正出血があらわれることが多いものです。不正出血があるときや、閉経したのに出血がみられたときは、すぐに体がん検診を受けてください。

検査の方法は?

経腟超音波検査では、子宮内膜の状態に異常がないかをみていきます。細胞診は、細い棒状のブラシを子宮内に挿入して子宮内膜細胞を採取し、顕微鏡で異常の有無を調べます。細胞診では、多少の痛みや出血をともなうことがあります。

検査結果の見方は?

細胞診の結果は、下記のようにクラスI~Vまでに分類されています。これは、がんの進行期とはまったく別のものです。クラスIIb以上の場合は、精密検査を行います。

細胞診クラス分類

クラス分類 推定される病変
クラスI、クラスII 正常の範囲
クラスIIb 炎症・内膜増殖の疑い(精密検査が必要)
クラスIIIa 炎症・内膜増殖の疑い(精密検査が必要)
クラスIIIb 異型内膜増殖の疑い(悪性疾患の可能性あり・精密検査が必要
クラスIV、クラスV 0期の子宮体がんが疑われる(精密検査が必要)

*子宮内膜が過剰に増殖して異常に厚くなっている状態を子宮内膜増殖症(しきゅうないまくぞうしょくしょう)、その中に細胞異型がみられるものを、異型子宮内膜増殖症(いけいしきゅうないまくぞうしょくしょう)といいます。異型子宮内膜増殖症は、子宮体がん進行期分類の0期にあたり、治療をはじめます。

精密検査で行うこと

細胞診でがんが疑われる場合は、小さなスプーン状の器具で子宮内膜組織をかきだして採取して調べる組織診を行います。この検査は少々の痛みをともなうため、麻酔をして行うこともあります。検査後数日少量出血が続きますが、心配はいりません。

ドクターから

子宮体がんは、ホルモンバランスの異常で起こる病気です。40歳ごろから増えてきますが、妊娠・出産の回数が少ない人、月経不順が長かった人、肥満や糖尿病、高血圧の人はリスクが高いといわれています。
月経不順の人は若くても子宮体がん検診を受けるのが賢明です。
なお、子宮体がん検診は多少の痛みをともないます。不正出血などの症状がなければ、経腟超音波で子宮内膜のようすをチェックしてもらうことで子宮体がん検診に替えることができます。細胞診は、必要に応じて行えばよいでしょう。