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CHECKUP GUIDE

電解質を調べる血液検査血液を調べる検査

検査名称

ナトリウム(Na)、クロール(Cl、塩素)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)

基準値

ナトリウム(Na) 135~145mEq(ミリエクイヴァレント)/ℓ
クロール(Cl、塩素) 98~108 mEq/ℓ
カリウム(K) 3.5~5.0 mq/ℓ
カルシウム(Ca) 8.6~10.2 mg/dℓ

どんな検査?

人間のからだの60%は水分です。これらの水分は、細胞内液や血漿(血液の上ずみ)などの体液として存在します。体液には、生命活動に重要なミネラルが、溶けた状態で存在しています。電解質とは、水に溶けて電気を通すミネラルのイオンのことで、体内の水分量やpHを一定に保ったり、神経の伝達や心臓、筋肉を動かすことなどに深くかかわっています。
このように、それぞれの電解質はバランスを取りながら、生命の維持に欠かせない重要な役割を担っています。電解質検査は、血液中のイオン濃度を測定し、バランスの崩れを調べて、体内のバランス異常を調べます。また、体内の水分の調節は腎臓とホルモンのはたらきによるものです。
血中の電解質濃度に変化が生じた場合、腎機能やホルモンのはたらきに異常が発生している可能性があります。

検査で何がわかる?

ナトリウム(Na)

ナトリウム(Na)は、からだの水分を調節するはたらきがあります。ナトリウムが多すぎると、これを薄めるために体内に水がたまってしまい、むくみや高血圧の原因になります。ナトリウムが高値の場合は、嘔吐、下痢などによる脱水症のほか、尿崩症(にょうほうしょう)、糖尿病、アルドステロン症、クッシング症候群などの病気が考えられます。
低値の場合は、腎不全(じんふぜん)、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)、心不全などが疑われます。下痢やおう吐をしたときや利尿薬を利用している場合も値が低くなります。

クロール(Cl、塩素)

クロール(Cl、塩素)の大部分はナトリウムといっしょに存在していて、体内の水分量の調節やpHの調節をしています。
脱水症や過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)で高値になるほか、腎不全などでも高値になります。
低値の場合は、嘔吐や下痢のほか、肺気腫(はいきしゅ)、肺炎、腎障害などの病気が疑われます。

カリウム(K)

カリウムは、神経や筋肉のはたらきを調節しています。カリウムが低いと神経がマヒし、高すぎると不整脈など心臓に悪影響があります。
高値の場合は、腎不全、糖尿病、アジソン病などが考えられます。
低値の場合は、嘔吐、下痢、利尿薬の使用、摂食障害のほか、呼吸不全症候群、アルドステロン症、クッシング症候群などが疑われます。

カルシウム(Ca)

カルシウムは、骨や歯の形成、神経刺激の伝達、血液の凝固などのはたらきをしています。
体内のカルシウムの99%は骨や歯に蓄えられていて、その残りが細胞内や血液中に存在します。カルシウム不足で血液中のカルシウムの濃度が低下すると、必要に応じて骨から血液中に移動してカルシウム濃度を維持します。カルシウムの濃度はおもに副甲状腺ホルモンや活性型ビタミンDなどで調節されています。
カルシウムが高値の場合は、悪性腫瘍や多発性骨髄腫(たはつせいこうずいしゅ)など骨代謝の異常、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)が疑われます。
低値の場合は、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、悪性腫瘍(しゅよう)(しゅよう)、サルコイドーシスなどの内分泌異常が疑われます。