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ティップネスに聞いてみた(4) 腰をケアしたい! 腰痛ベルトの正しい使い方

長くトレーニングを続けるためにも、腰を痛めるのは避けたいところ。でも、実際に腰痛になってしまったら、どのようにケアをすれば良いのでしょうか。そこで今回は、腰のケアに役立つ腰痛ベルトについて紹介します。

 

知ってる?腰痛ベルトはこのためにある

お話を聞いたのはティップネス商品部のお二人。トレーナー歴20年の向井貴之さんと、スペシャリストの安田剛さんです。

 

多くの人が腰痛に悩んでいますが、そもそも腰痛は何が原因で引き起こされるのでしょう?

 

「腰痛の原因はたくさんあります。筋肉の観点からいくと、腹部には、腹直筋や内・外腹斜筋というアウターマッスルと、腹横筋というインナーマッスルがあり、両方の筋力バランスが崩れてしまったときに、違和感を自覚することがあります。背骨の一部である腰椎は、椎間板と椎骨が積み木のように重なっているんですが、それがズレたときには神経が圧迫されて痛みが生じますね。また、構造的な欠陥がなくても、筋肉疲労やストレスなど精神的な疲労によっても痛みが発生することがあります」(安田さん)

 

「フィットネスクラブで見ていると、お腹の筋肉をキチンと使えていない人が腰痛になる傾向にありますね。人間は本来、身体を動かそうとするときに、勝手にお腹に力が入るようになっています。腰痛の方は、その力が入るタイミングが遅いんです。その結果、腰の負担が増えて、痛みを感じてしまいます」(向井さん)

 

なるほど……。そんなとき、腰痛ベルトはどのように頼りになるのでしょうか?

 

「腰痛ベルトは、腰に巻くことで腹圧を外から高められるため、腰痛予防のために使う方もいますね。痛めてしまった後でも腰椎を安定させる効果によって、痛みが緩和されたと感じられる方も多いのではないでしょうか。筋肉疲労の場合は、腰痛ベルトを使うことで、過緊張した筋肉がほぐされるので、少し巻いていれば回復が促進される効果も期待できます。ただし、ベルトは治療してくれるわけではなく、あくまでも回復の手助けをしてくれるに過ぎません。使い続けるのではなく、腹横筋の使い方を学ぶべきでしょう」(安田さん)

 

腰痛ベルトは、足りない腹横筋の働きを補っているだけなんですね。

使用する場合は、このことを頭に入れておきましょう!

 

腰が気になる人がトレーニングでやってはいけないNG行動

腰が気になっている人は、トレーニングをする上でどんなことに注意すれば良いのでしょうか。

 

「根本的に腰を含めて身体の使い方を間違えている場合があるので、まずは正しい動きを学んでほしいですね。腰を強化しようと思ってやっているスクワットが、フォームが悪いために腰へ悪い負担をかけている場合もあります」(安田さん)

 

「フィットネスクラブにいらっしゃる方で、腰痛に悩まれているケースは多いですよ。私が見ている限りでは、骨盤が前傾している方がほとんどです。まずは骨盤を正しい位置に戻すエクササイズをおすすめしています」(向井さん)

 

先にも話題にのぼったお腹のインナーマッスル・腹横筋。やはりここを鍛えることが重要だとか。

 

「ムキムキに鍛えている方でも、腰痛持ちは多いんです。それは、腹直筋ばかり鍛えて、腹横筋をないがしろにしているからです。バランスが崩れると、腰痛になってしまいます」(安田さん)

 

「力を入れるような筋トレはほとんどアウターマッスルを使っています。これに対し、片脚立ちや綱渡りのようなバランストレーニングは、インナーマッスルを使います。地味なトレーニングは嫌がられますが、静と動の両方をやったほうが良いですね。腰痛が起きているときは、身体全体がアウターマッスルに頼っているので、その状態が続くと、ますますインナーマッスルが使えなくなってしまいます」(向井さん)

 

そこで、インナーマッスルを使えているかどうかを知るテストと、腹横筋を鍛えるエクササイズを教えていただきました!

 

[お腹のインナーマッスルテスト]

仰向けの状態からゴロンと起き上がる動作です。簡単そうに感じますが、お腹に力を入れるタイミングがわからない方、つまりインナーマッスルを使えていない方は起き上がることができないそうです。

 

・やり方

仰向けに寝て頭を浮かせ、両足を両手で抱えます。勢いをつけて起き上がり、体育座りをします。

(ただこれだけ。でも、できない人はできないのだとか……ワタシできるかな)

 

[腹横筋のエクササイズ]

お腹のインナーマッスルを鍛える動きです。3段階あるので、自分の状態を見て強度を変えてください。ポイントは、腰を反らせないことです。

 

・やり方

レベル1:まず腰が反らないように四つ這いになります。

レベル2:四つ這いの状態から、両膝を浮かせます。膝を浮かせるのは少しだけでOK。

 

 

レベル3:膝を浮かせたまま、ハイハイをします。

 

 

使い方、間違ってない?腰痛ベルトのNGな使い方、正しい使い方

腰痛ベルトの選び方や正しい使い方について、具体的にアドバイスをしていただきました。

 

「単に柔らかい布で圧をかけるものから、腰を両手で覆っているかのようなものまで、腰痛ベルトには多くの種類があります。医療機関だったら自分の症状に合ったベルトを提供してくれると思いますが、自分で選ぶ場合は一度試しに巻いてみてください。腰が一番安定するものを選んだほうが良いと思います。それと、サイズが間違っていると効果も軽減してしまうので注意してください」(安田さん)

 

「腰痛ベルトとは呼んでいませんが、フィットネスクラブにもウエイトリフティングベルトというものがあります。巻くことで腹圧が高くなるので、重いものを持ち上げられるんです。重いものを持つときが、最も腰痛ベルトを使ったほうが良いタイミング。お腹に力を入れる習慣がついていない状態で重いものを持つと、腰痛のリスクが上がってしまうからです。ただし、ベルトがないと腹圧が高められない状態になってしまうのはよくありません。

また、トレーニングの最初から最後まで巻きっぱなしにしている方がいらっしゃいますが、それは使い方として間違っています。トレーニング時にセットして、終わったら緩めるのが基本です」(向井さん)

 

なお、お腹に圧をかける腰痛ベルトは、妊娠中や血圧の方には不適切とのことなので、使用する場合は説明書をよく読むようにしましょう。

 

腰痛ベルトを使わなくてすむために、心がけたいこと

一番良いのは、腰痛ベルトを使わずに過ごせること。

どんなことに心がけるべきか、教えていただきました。

 

「まずは腹横筋の正しい使い方を学んでほしいと思います。そして、なるべく腰部に集中して負担がかからないように、身体全体を使った動きをすることですね。例えば落ちたものを拾うときに、膝を伸ばしたまま腰を曲げて手で拾うのではなく、膝を曲げ腰を落としてから拾うとか」(安田さん)

 

「日常生活の中で、物を拾う動作ってかなりありますからね。きちんと動作を意識すると、インナーマッスルが使えるようになります。それと、エクササイズで提案した赤ちゃんがするような四つ這いやハイハイは、インナーマッスルを鍛えるのに役に立ちます。簡単そうに見えますが、意外とできない人も多いんですよ」(向井さん)

 

 

地味なトレーニングや基本の動きを注意することが、腰痛予防につながるんですね。ぜひ日常生活でもそのことに意識を向けて過ごしてみてください!

 

 

取材・執筆/河辺さや香 撮影/山地彩香