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あなたの歯磨き、間違っていない?

にっこり笑うと、キラッと光るきれいな歯・・。口元美人になると、笑顔にも自信がもてるようになりますよね。美しく健康的な歯を保つために、欠かせないのが毎日のオーラルケア。でも、間違った方法でケアしていては、せっかくの努力も半減してしまいます。知っているようで知らない歯磨きの方法をもう一度確認してみましょう。

間違った歯磨きをしていると効果も半減

毎日一生懸命歯磨きをしているのにもかかわらず、なぜか虫歯になってしまうという人はいませんか? その原因は、間違った歯磨きにあります。「勘違いしやすい歯磨きの常識」をみていきましょう。

間違いその1★歯ブラシを濡らしてから歯磨き剤をつける

歯磨きをするとき、なんとなく歯ブラシを濡らして、歯磨き剤をつけていませんか? 
でも、これはダメ。歯ブラシを濡らしてから歯磨きをすると、歯磨き剤が素早く泡立つので、短時間で「磨いた気」になり、汚れや細菌が落ちていないことが多いからです。また、泡立ちが早いと、歯磨き剤に配合されている有効成分も、歯に作用する前に流れてしまいます。


効果的に歯を磨くには、乾いた歯ブラシに歯磨剤をつけて磨くのが正解。歯ブラシはペンをもつように軽く握り、細かく振動させながら磨きます。磨く順番は、下の歯の裏側→上の歯の裏側→上の歯の表側→下の歯の表側→奥歯のかみ合わせ部分の順序で、奥歯から前歯へ、さらに反対側の奥歯から前歯へと1本ずつていねいに磨いていきましょう。


なお、虫歯予防に抜群の効果を発揮するのがフッ素。虫歯の酸に負けない丈夫な歯を作るためには、歯磨き剤はフッ素配合のものを選ぶのが基本です。チューブの表側に“フッ素入り”の表示がない場合は、裏側の成分表示をチェックしてください。“フッ化ナトリウム”“モノフルオロリン酸ナトリウム”などの表示があればOKです。加えてキシリトールが配合されていれば、なおベストです。

間違いその2★歯磨き剤は、歯ブラシの上にのせて磨く

歯ブラシの上に歯磨き剤をのせたらそのままお口の中へ……もNGな磨き方。歯磨き剤が歯の一か所にべっとりついて、歯全体に行きわたらないからです。歯ブラシにつけた歯磨き剤は、指でブラシの毛の中に埋めこむようになじませてから磨きましょう。歯磨き剤を歯ブラシの中にしっかりと入れ込むことで、最後まで均一に利用できます。

間違いその3★歯磨き後は何度も口をすすぐ

歯磨き後は、口の中を何度もすすぐ人も多いのでは? でも、これではせっかく口の中に残った大切なフッ素がすべて流れてしまいます。歯磨き剤のフッ素効果を高めるには、何度も口をすすがないほうがよいのです。
歯磨き後はひと口(10ミリリットル)の水を口にふくみ、約20秒間くちゅくちゅしてぺっと出して終わり。その後は、最低でも30分くらいは飲食をしないようにします。

いかがでしたか? 歯磨きは正しく確実に磨いてこそ、効果があがります。
「勘違いしていた」という人は、今日からさっそく正しい方法で歯磨いてくださいね。
次回からは「大人の虫歯」についてお話します。

プロフィール

倉治 ななえ 先生
歯科
倉治 ななえ 先生

1979年 日本歯科大学卒業。補綴学教室第2講座入局
1983年 クラジ歯科医院開設(現在、院長)
1989年 テクノポートデンタルクリニック開設
1990年 子育て歯科を始める
2003年 Dr.NANA予防歯科研究所設立(代表)

●歯学博士
●日本歯科大学附属病院臨床准教授
●日本フィンランドむし歯予防研究会 副会長
●日本アンチエイジング歯科学会 理事
●日本小児歯科学会 会員
●大田区学校保健会副会長

主な著書
「キレる理由は歯にあった」(KSS出版)
「はじめての歯みがきレッスン」(PHP研究所)
「きれいな歯をつくる 大人のためのデンタルブック」(大泉書店)
「歯並びのよい子に育てるために」(わかば出版)ほか。

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