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間違った洗顔法、していませんか?

せっかくの洗顔も自分に合っていない方法で行っていると、肌にダメージを与え、肌老化をすすめさせてしまいます。
スキンケアに関してはさまざまな情報があふれていますが、必ずしも正しい情報ばかりではありません。洗顔に関して、あなたはこんな間違った思い込みをしていませんか?

間違った洗顔法が、肌老化をすすめさせる

美肌作りの基本になるのが洗顔です。みなさんの中にも、洗顔には人一倍気を使っているという方も多いのではないでしょうか。
でも、せっかくの洗顔も自分に合っていない方法で行っていると、肌にダメージを与え、肌老化をすすめさせてしまいます。
スキンケアに関してはさまざまな情報があふれていますが、必ずしも正しい情報ばかりではありません。洗顔に関して、あなたはこんな間違った思い込みをしていませんか? 

NGな思い込み1――汚れやメークが少しでも肌に残っているとシミになる

皮膚は、汗や皮脂を外に出す排泄器官ですから、肌に残った汚れが皮膚の奥へ奥へと吸収されていくことは、皮膚科学的にあり得ません。
しみとは紫外線などが原因で、メラニン色素が沈着してそのまま残ってしまったもの。肌表面についた汚れやメークがしみの原因になることはありません。


汚れやメークを完全に落とそうとして、ゴシゴシ洗いをしていると、肌のバリア機能をこわして、肌の乾燥がすすみ小じわの原因になります。たとえ、メークが多少残っていたとしても、皮膚は毎日1層ずつ角質がとれて新しくなっていきますから汚れも一緒にとれます。過剰な洗顔をして、肌を守る大切な皮脂まで落としすぎないようにしましょう。

NGな思い込み2――洗顔は、W洗顔が大事

一般に朝は洗顔料を使い、夜はクレンジングと洗顔料のW洗顔をする方が多いかもしれませんで。でも、朝は洗顔剤を使わず、水洗いだけで十分です。
夜はクレンジングでメークを落とし、気になるときだけTゾーンのみ洗顔料を使ってW洗顔しましょう。Tゾーンに比べて皮脂量が少なく、デリケートで乾燥しやすい目のまわりやほおは、W洗顔の必要はありません。
なお、肌の乾燥が気になるときや肌が敏感になっているときは、クレンジング剤も肌の負担になることが多いもの。コットンを水で濡らしてスクワランオイルを数滴なじませて、やさしくメークを拭き取りましょう。

NGな思い込み3――洗顔はお湯かぬるま湯で

お湯の温度が高いほど、肌のうるおいを守っている皮脂が落ちてしまいます。「守りの皮脂」を確実に残すためには、洗顔は冬でも水洗いがおすすめです。

NGな思い込み4――完璧洗顔をしないとニキビができる

ニキビができると、一生懸命洗顔をしなくてはと思いがち。でも過剰な洗顔がニキビの原因になることも多いのです。
皮膚には、常在菌といってさまざまな菌が存在していています。これらの常在菌がバランスを取り合って共生し、肌の健康を守っています。ところが洗いすぎると、このバランスが崩れて常在菌がニキビの原因になることも。思春期の男の子にできる、脂っこいニキビは別として、女性の大人のニキビは、洗いすぎに気をつけてきちんと保湿することが予防になります。

うるおいを守る洗顔法、3つのポイント

肌に負担をかけず、肌に大切な「守りの皮脂」を残す洗顔法をマスターしましょう。

  1. 洗顔料やクレンジング剤の使用はその日の皮膚の状態に合わせて。1日に1回でも充分。朝の洗顔は、水だけで洗う「素洗い」でもOKです。
  2. 必ずしも毎日W洗顔をする必要はありません。気になるときは、TゾーンのみW洗顔を。
  3. 水温は、水が基本。寒い時期は、夏場の水温くらいに調節するとよいでしょう。

プロフィール

平田 雅子 先生
皮膚科医
平田 雅子 先生

私のクリニック目白 院長 日本大学医学部卒。皮膚科専門医。

東京医科大学、同大学八王子医療センターを経て、2003、10月から現職。
女性専門医療の第一線で活躍中。
女性医療ネットワーク理事。
日本医師会産業医。
女性の悩みをきちんと聞くことを心がけた診療に定評がある。