プラスコラム
PLUS COLUMN

自分だけは大丈夫と思う人こそ 受けよう! がん検診

毎年9月は、がん征圧月間です。

日本人の2人に1人はがんにかかるといわれる時代。

早期発見のカギを握るのががん検診です。

 

低い日本のがん検診受診率

がんは日本人の死亡の第1位です。

それにも関わらず、日本のがん検診の受診率は低く、国の調べによると、胃がん、肺がん、大腸がん検診の受診率は男性は4割程度、女性は3~4割程度です。

女性の乳がん検診、子宮頸がん検診についても、受診率はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、最低レベルといわれています。

たとえば2015年のOECDの発表をみると、アメリカでの乳がん・子宮頸がん検診の受診率は8割以上。

イギリスやオランダ、ニュージーランドも7割近い受診率です。

それに対して日本の場合は4割程度にしかすぎません。

 

がん検診を受けない理由

では、どういった理由でがん検診を受けないのでしょう?

内閣府が2016年に実施した「がん対策に関する世論調査」をみると、がん検診を受けない理由の1位は「受ける時間がないから」、2位は「健康状態に自信があり,必要性を感じないから」でした。

次いで「必要なときにいつでも受診できるから」「お金がかかるから」「がんと分かるのが怖いから」などの理由が続きました。

回答からは「自分に限ってがんになることはない。だから時間もお金ももったいない」――そんな声が聞こえてきそうです。

 

自覚症状がないときに受けるのががん検診

「がんと分かると怖いから」という回答も、多くの人が感じていることかもしれません

けれども医療技術の進歩で、現在がんは6割の人が治る病気といわれています。

がんの多くは、初期のころはこれといった自覚症状がなく、症状が出て気づいたときには、がんが進行していることが少なくないそうです。

早期発見のカギを握るのががん検診です。

誰もががんのリスクをゼロにすることはできません。

「自分だけは大丈夫」と思わずに、9月のがん征圧月間を機に定期的にがん検診を受けたいものですね。

 

<参考URL>

*「平成30年度がん検診受診率50%に向けた集中キャンペーン」(厚生労働省)

https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_30/outline/low.html

 

*「がん対策に関する世論調査」の概要(平成29年1月内閣府政府広報室)

https://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-gantaisaku/gairyaku.pdf

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。