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男の薄毛問題を考える(1)~原因編~

古来から多くの男性を悩ませている薄毛問題。寝起きの枕に残った抜け毛や入浴後の排水溝にたまった抜け毛の多さにぎょっとして「このままハゲてしまうのではないか」と日々不安を感じている男性も多いのではないでしょうか。 古来から多くの男性を悩ませている薄毛問題。寝起きの枕に残った抜け毛や入浴後の排水溝にたまった抜け毛の多さにぎょっとして「このままハゲてしまうのではないか」と日々不安を感じている男性も多いのではないでしょうか。


秋は誰でも抜け毛が増えますが、急に抜け毛が増えてきた、抜け毛が生え際や頭頂部に集中しているという場合は、男性型脱毛症(AGA)かもしれません。
男性の3分の1は悩んでいるといわれるAGA。なぜ起こるのか、薄毛は改善できるのかできないのか、何回かに分けて、気になる男の薄毛事情について考えていきましょう
 

後頭部、側頭部はフサフサでも、頭頂部と生え際が薄くなる

薄毛の始まりは人それぞれ。早い人では10代後半から始まるなど個人差がありますが、一般には30歳ころから薄毛の悩みが増えてくるようです。
脱毛症にはいろいろなものがありますが、もっとも多いのが男性型脱毛症(AGA=Androgenetic Alopecia)です。

脱毛の進行は大きく分けて次の3パターンがあります。

(1)額の生え際から進行していくタイプ

(2)前頭部から進行していくタイプ

(3)頭頂部から進行していくタイプ

そのほか(1)と(3)、(2)と(3)などの混合タイプもありますが、いずれの場合も頭頂部や生え際から薄毛が進行していくのが特徴です。男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部と側頭部の毛髪は、薄毛が悪化していても最後まで残ります。
 

遺伝と男性ホルモンが大きく関与

でもなぜ男性型脱毛症(AGA)になるのでしょうか。
AGAには、遺伝や生活習慣などさまざまな要因・要素がからみあってと起こるといわれています。
はっきりした原因はまだ解明されていないようですが、大きなリスクの1つとしてわかっているのがDHT(ジヒドロテストステロン)といわれる男性ホルモンの存在です。

男性ホルモンにはいくつか種類がありますが、代表的なものがテストステロンと呼ばれるものです。テストステロンは男性ホルモンの中でもっとも作用が強く、筋肉や骨格をつくったり、ひげや体毛を濃くするなど男らしさをつかさどるホルモンです。精巣(睾丸)でつくられており、性機能に直接作用しています。

男性には必要不可欠な働きをするテストステロンですが、このテストステロンが、毛乳頭や皮脂腺に存在する5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンに変換されると毛根の細胞を萎縮させたり、毛髪の成長を阻害させてしまうのです。
DHTの作用で、髪の成長期は短くなり、髪は産毛のように軟毛になります。つまり、髪の毛が太く長く育つ前に、軟毛化したまま髪が抜けてしまうのです。これがAGAです。

では、男性ホルモンのテストステロンが多い人ほど薄毛になるか、というと必ずしもそうではありません。問題は、テストステロンそのものの量ではなくて、DHTに変換する5αリダクターゼの分泌量。AGAになりやすいかどうかは、5αリダクターゼが生成されやすい体質かどうかにかかっているといわれています。
5αリダクターゼが生成されやすい体質は遺伝で受け継がれるそうですが、そのほかにも少なからず生活環境が影響するといわれています。

どんな生活環境が問題なのでしょうか。
次回は、AGAになりやすい生活環境と対策について解説します。