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空腹を抑えられないときは「運動する」が正解

憧れの人とデートをしているとき、趣味や仕事に夢中になっているとき、あるいはモーレツに怒っているときなど、ふと気づくと空腹感をすっかり忘れている、ということはありませんか?
これは、ヒトが闘争モードになっているときに分泌されるホルモン「アドレナリン」の働きによるもの。アドレナリンには空腹を感じにくくさせる作用があるのです。

 

アドレナリン分泌で、血糖値が上がる

 でもなぜ、アドレナリンが分泌されと、空腹を感じにくくなるのでしょうか? 
そのカギを握っているのが「血糖」です。
血糖という のは、血液中に含まれるブドウ糖のこと。からだの重要なエネルギー源です。血糖は食事を摂ると急上昇してエネルギーチャージができますが、さまざまな活動 によってエネルギーが消費されると、血糖値が下がっていきます。すると、脳が素早くエネルギー不足のサインを送り、空腹を感じるというわけです。

緊張状態や興奮状態のときなどに副腎から分泌される「アドレナリン」は、血糖量を高める作用をもっているので、アドレナリン濃度が上昇すると空腹を感じにくくなるのです。これから闘うぞ!というときに、「腹減った~」では、力が出ず十分に闘えないというわけですね。

血糖値を上げるには、「食べ物を摂ること」ですが、アドレナリンの分泌によっても血糖値が上がるのですから、ダイエット中の人はこのメカニズムを上手に利用したいものですよね。
といっても、アドレナリンを分泌させるためにそうそう戦闘モードに入ってはいられません。そこで、おすすめなのが運動です。
 

食欲に負けそうなときは、筋トレが効果的

運動の中でも筋トレを行うと、交感神経が活発になって、副腎からアドレナリンが分泌されるといいます。また空腹時には、「グレリン」という食欲を増進させるホルモンが胃から分泌されますが、運動すると、このグレリンの分泌が抑制されるといわれています。

さらに、空腹の状態で運動をすると、エネルギーを脂肪から消費しようとするため、脂肪の燃焼に効果的だといわれています。

夜中空腹に耐えきれず、お菓子やラーメンを食べたくなったときは、食べる前にまず腹筋やスクワットをやってみるのが正解のようですね。

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。