プラスコラム
PLUS COLUMN

体にやさしい効果的な水分補給は、一気に飲むより少しずつ数回に分けて

「水を飲むのに何か特別な方法なんてあるの?」「のどが渇いたら飲めばいいだけじゃないの?」……おそらくそう考える人がほとんどでしょう。でも、水はただ飲めばいいというものではないのです。体にやさしい効果的な水分の摂り方をご紹介します。

 

少しずつ何回かに分けて水分補給を

1日に飲み物から摂りたい水分は1.2ℓといわれます(前回紹介)。水分補給をするときに注意したいのは、ノドの渇きにまかせてがぶ飲みしないことです。一気にたくさんの水を飲んでも、すぐに全部が吸収されることはありません。体の負担になるだけです。

少量ずつを何回かに分けて飲むことが大切です。たとえば1回につきコップ1杯(180〜200㎖)の水を1日に6〜7回飲めば1日に必要な水分が補給できます。水分補給のタイミングは、以下のことを目安に、朝昼夜の自分の生活リズムに合わせるといいでしょう。

  1. (1)ノドが渇いたと感じる前に飲む

  2. ノドが渇いたと感じるときは、体に必要な水分量の1%が不足している状態といわれます。すでに水分不足になりつつあるといえます。水分補給のコツは、ノドが渇かないようにこまめに飲むことが大切なのです。
  3. (2)枕元に水

  4. 季節を問わず、夜中にノドが渇いてもすぐに飲めるように、水を入れたコップやペットボトルなどを用意しておきます。
  5. (3)朝起きたら1杯の水

  6. 寝ている間に体は汗や呼吸などで水分を失っているといいます。目覚めの1杯は、水分不足で濃くなった血液もサラッとさせてくれます。毎朝欠かさず飲むようにしましょう。
     
  7. (4)食事中に水分補給

  8. 朝・昼・夜の食事のときにも適度な水分補給を。消化吸収を助け、便通改善に役立つともいわれています。
  9. (5)運動するときは適切な水分補給

  10. 運動で大量に汗をかくとナトリウムやカリウムなどのミネラルも不足します。熱中症を引き起こす危険もあるといわれます。水以外にもスポーツドリンクなどを適切に摂取しましょう。
  11. (6)外出時は水を携帯する

  12. 暑い日に外出するときは、ミネラルウォーターのペットボトルを携帯し、ノドが渇く前に水分補給をします。
  13. (7)入浴の前後に水分補給

  14. 入浴すると大量の汗をかくので、入浴前と後の水分補給は欠かせません。特に半身浴で長時間入浴するときは入浴中でも水分を補給します。
  15. (8)就寝前に1杯

  16. 睡眠中の水分不足を防ぐためにも大切。血液ドロドロ状態を防いでくれるといわれます。とくに酒を飲んで酔っぱらった夜は、寝る前に必ず水分補給を。
     

通常は水で十分。アルコールは逆効果

飲み物の種類によって、水分補給に適したもの、不向きなものがあります。
 

  1. (1)水・ミネラルウォーター・麦茶


  2. オフィスでの仕事が中心であまり動かないとか軽い運動程度ならば、水分補給は水かミネラルウォーターで十分でしょう。また麦茶はノンカフェインでミネラルも含まれているようです。
  3. (2)スポーツ飲料

  4. 激しい運動をするときや仕事で汗をよくかくといったケースであればスポーツ飲料がいいでしょう。水よりも早く吸収されるし、汗と一緒に失われたナトリウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルが補給できます。ただスポーツ飲料は飲み過ぎると糖分の摂取過多になるといわれています。

  5. (3)コーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶

  6. これらの飲み物に含まれるカフェインには利尿作用があるので、できれば水を一緒に飲むのがよいでしょう。

  7. (4)炭酸飲料・果汁・栄養ドリンク

  8. これらには糖分が多く含まれています。飲み過ぎは生活習慣病の原因にもなりかねず、水分補給には不向きです。また栄養ドリンクにはカフェインが含まれているものが多いようです。

  9. (5)ビール・酎ハイ・酒

  10. アルコール類は利尿作用が強いので、水分が排出されてしまいます。水分補給にはなりません。飲酒中や飲酒後は必ず水を飲みましょう。日常生活での水分補給は、ほとんどの場合、水で十分です。ただ、体への負担を考えると冷たい水ではなく、常温かお湯がよさそうです。
    注意したいのは、ビールや炭酸飲料などでノドをうるおすことと、水分補給は別だということです。

    いかがでしたか?水分補給を上手に行って、体の内側からもうるおいを保ってください。

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。