プラスコラム
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体の6割は水分でできている人間。1日に必要な水分量はどれくらい?

突然ですが、あなたは1日にどれくらいの水を飲んでいますか?人間が必要とする1日の水分量はどのくらいでしょう?コーヒーや紅茶、コーラでも水の代わりになるのでしょうか?夏に限らず、覚えておくと便利な上手な水分の補給方法を2回にわたってご紹介します。

 

毎日、体から2.5ℓの水分が排出されている

私たち人間の体は約60%が水分で構成されています。ここでいう水分というのは、いわゆる飲む水のことではなくて、血液やリンパ液、汗などの体液のことです。体重が50キロの女性なら30キロが水分ということになります。
 

ただ、この割合は年齢によって差があり、生後間もない赤ちゃんは80%、高齢になると50%くらいになるらしいです。ちなみに人間以外では、野菜は多くが90%を超え、スイカの水分は90〜95%、トマトは90%、バナナでも75%あります。魚類は多くが75%、クラゲは95〜99%が水分ということです。さすがに水の惑星といわれる「地球」の生き物らしい数字ですね。
 

ところでこの水分ですが、毎日、体から出て行く水分量は、個人差はありますが約2.5ℓといわれています。汗や尿、便、呼吸などによって排出されます。私たちが健康に生活するためには、この排出される分に相当する水分を毎日補給する必要があります。
 

体重の2%の水分が失われると危険

では、どのくらいの量の水分が失われると脱水症になるのでしょうか。体重の2%といわれます。わずか2%というなかれ。体重が50キロの女性なら約1ℓということになります。けっこうな分量でしょう? これだけの水分が失われると、めまいや全身の倦怠感、目がくぼむ、尿が減る、吐き気といった脱水症のサインがみられます。熱中症の危険も増します。また、血液が濃くなりすぎて便秘や痛風、脳梗塞などが引き起こされる危険もあるといわれます。
 

体の水分不足を防ぐには、排出量と摂取量のバランスが大切です。ただ、1日に必要な水分を摂るといっても、飲料水だけで2.5ℓも飲むのはなかなか大変です。
 

飲料水以外にも食事で1ℓほどの水分が摂れるといわれます。また、食べ物を分解してエネルギーに代える際に発生する代謝水といわれる約0.3ℓほどの水分が体内で生成されるといいます。そうした分を除けば、飲料水で摂取する水分は、約1.2ℓということになります。ただ、暑い時期などは汗をかいて水分が多く排出されるので、少し多めに水分を摂る必要があります。
 

注意したいのは、一度に大量の水を摂取しないこと。胃液が薄まって消化不良を起こす可能性もあります。また、過剰に水を摂取すると水中毒になることもあるといいます。これは体内のナトリウム濃度が低下することで起こる病気で、嘔吐、頭痛、けいれん、昏睡などを起こし、最悪、死にいたるこわい病気です。何事もそうですが、「過ぎたるは及ばざるが如し」……。
 

水を体にやさしく、効果的に飲むにはどうすればいいでしょう。次回以降で詳しくご紹介します。

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。