プラスコラム
PLUS COLUMN

舌でわかる自分のからだ

栗や松茸やぶどうや柿や、おいしいものがお店に並ぶと秋、ですね。
さわやかな季節になりますが、夏の疲れが出るころでもあります。
風邪をひきやすくなったり、冷えて眠れなくなったり疲れがとれない、そのうえ秋のアレルギー性鼻炎もでるころです。

そんなときに自分の今の体調がよ~くわかる方法、それが「舌診」(ぜっしん)。漢方の病状を診る時の方法のひとつです。

 

「舌」をみる・舌診(ぜっしん)について

舌診は、「舌」を見るという行為だけでからだの中のことが把握でき、
今の自分の健康状態を知る手助けになります。
舌診は、舌の大きさや色、かたち、状態、苔があるかないかなどについてみていくものです。
鏡を手に自分の舌を観察してみましょう!

例えば・・・

 

■Aタイプ・・・冷えとお疲れ

 

真ん中に白く厚めの白い苔があります。
先の方はすこし赤めです。
これは、冷えがあり、内臓が疲れている状態です。
風邪が長引いているときもこんな感じになります。
食欲もあまり無く、食べてもおいしくない時です。

 

 

 

 

 

 

 

■Bタイプ・・・むくみ

舌が大きく、ボテッとしていて
舌の周りがギザギザに歯型がついています。
これは体に余分な「水」がたまっていることを
表しています。

 

 

 

 

 

■Cタイプ・・・体力低下、血分不足

鏡面舌といって鏡のようにテカテカしています。
真ん中に線が入り、幅はせまい感じです。
これは「血」が不足し、めぐりが悪くなり
疲れやすく体力・気力も低下していることを
表しています。

 

 

 

 

 

舌の見方のポイント

全体的に白っぽいと冷え、赤っぽいと熱。
苔があるのは、病気が長引いている状態で、内臓機能が低下。
苔の色も変化し、白~黄色~褐色~黒と悪化していきます。
舌の周りに歯型が残るのは、水滞(いらない水分が体に残っていてむくみなどを起こす)。
または気力低下など。

 

舌の裏もチェックしよう!

血液ドロドロ「瘀血(おけつ)」になっているときは
舌の裏面に静脈の怒張が見られます。
唇の色も紫色になりますのでチェックしましょう。

 

みなさん、いかがでしたか?
生理の時は「瘀血」のサインが表れてたり、熱があるときは舌の先が赤くなっていたり・・・

舌は私たちのからだの様子を表してくれています。
ただ、見るだけの簡単チェック。
毎日の習慣にしてみてはいかがでしょう?

 

今年の日本列島は「天災」があまりにも多く、そのためにたくさんの命が奪われることに胸が痛みます。
人間の力のちっぽけなこと、自然の力のすごさ、怖さを思い知りました。
謙虚さを忘れてはいけないと思いました。

災害に遭われ亡くなられた方のご冥福を祈るとともに今も避難なさっている方々が一日も早く平穏な日を迎えられますことを祈ります。

 

漢方の智慧が何か助けになればうれしいです。

プロフィール

樫出 恒代
(かしで ひさよ)
樫出 恒代

日本生薬学会・漢方生薬認定薬剤師・漢方アドバイザー
「漢方カウンセリングルームKaon」代表

新潟薬科大学薬学部卒業。自身の体調不良を機に漢方に目覚め、漢方を古典から学び、アロマテラピーを独学で習得。漢方薬とアロマテラピーの融合により、より良い治療または予防ができると確信。1人ひとりのこころとからだにていねいに向き合うことをモットーに、現在、「ジュノ ウィミンズウェルネス銀座産院・健康院」内の漢方カウンセリングルームKaonで漢方カウンセリングと、オリジナルのバイタルフットヒーリングによるケアもおこなっている。
よりたくさんの方に漢方の良さを伝え、元気な毎日を送ってもらうための活動として、東京・新潟などでセミナーを行なっている。美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)

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