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UVカットの新常識のヒミツ その2

前回に引き続き、UVカットの新常識、第二弾です。


すっかり初夏の陽気ですね。5月に入ると紫外線量も急激に増してくるので、日焼け対策も本腰を入れる時期がきました。ところで今シーズンは、紫外線と一緒に、大気汚染も防ぎましょうという、新たなウェーブがおこっています。

これは、ドイツの公的機関が25年以上もの期間を経て、大気汚染の肺機能、炎症、老化への影響について調査研究プロジェクト「SALAI研究」の調査データに単を発しています。


それによると、大気中の浮遊物質が肌にくっつくと、色素沈着を起こす可能性が高くなると分かったとか。具体的に、工場のばい煙や車の排気ガスが一定量増加すると、額や頬の色素沈着が20%多くなること。また、一日一万台と交通量の多い道路から百メートル以内の居住者は、色素沈着が額で35%、頬で15%多く現れたという調査結果がでたのです。

 


もともと白人(ドイツ人)よりもシミやソバカスなどの色素沈着を起こしやすい黄色人種は、さらに大気汚染による影響を受けやすいのでは、という見解もあります。
もし、幹線道路やばい煙を出す工場のそばに住んでいるなど、大気汚染に心当たりがあり。しかも日焼け止めを徹底しているのに、シミが増えると感じているなら、アンチエアータイプを選ぶことも選択のひとつ。この研究を永年助成してきたクリニークや、そのほかヘレナ ルビンスタインやクラランスなど、いくつかのブランドで、この「アンチエアー」を備えた日焼け止めが今シーズン発売になっているので、ぜひチェックしてみてください。

 

また、汚染物質を肌に直接触れさせないためにも、下地やファンデーションで層をつくっておくのも効果的。
ちなみに、日中美容液や下地、ファンデーションと、それぞれに日焼け止め効果があった場合、SPFの数値は単純な足し算にはならないけれど、予防効果が高まるのは事実です。メイクをしていて日焼け止めを塗り直すことができないときは、化粧直しでUVカット効果のあるファンデーションやパウダーを、シミソバカスができやすい部分に重ねると、予防ができます。

 

ところで、日焼け止めの成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の二種類があります。散乱剤は紫外線エネルギーを肌表面で鏡のように跳ね返すしくみで、吸収剤は、紫外線のエネルギーを吸収してしまい、肌の内側へ入れさせないというしくみです。ただ吸収剤の中にはそれ自体が紫外線で壊れて副産物を生み出すことがあり、それが刺激になり炎症やアレルギー反応を起こす人もなかにはいます。そこで、敏感肌用のブランドは、散乱剤を採用していることが多いのです。


とはいえ、最近は紫外線吸収剤をコーティングするなど、より肌への安全措置がとられたものが増えているので、肌に違和感がないのならばそう気にすることはありません。それよりも、紫外線対策をしないことのほうが、ダメージはずっと大きいのです。

最後にひとつ、紫外線カットの徹底による、ビタミンD欠乏症を指摘する声がありました。しかし、ビタミンDが体内で合成するには紫外線を1日15分も浴びれば十分。食品はサプリメントで取ることもできます。ただ、あまりの神経質から、日焼け止めを塗り、肌も一切露出しないと徹底すると、欠乏症の可能性がないとはいえないかも。

 

また、硝子越しでも日中は、明るい日の光の中で過ごすことは、自律神経のためにも大切です。紫外線は確かに、肌にダメージを与える。でも、自然界にとって、人間にとって、日光はなくてはならないもの、というものまた事実なのですから、あまり神経質になりすぎず、お日様を愛して、上手につきあっていくことを考えましょうね。

プロフィール

山崎多賀子
(やまざき たかこ)
山崎多賀子

1960年生まれ。
会社員、女性誌の編集者を経てフリーに。雑誌やwebなどで美容、健康記事や美容ルポルタージュ、エッセイなどを手がけ、各誌で活躍。2005年に乳がんが発覚、2006年から女性誌に闘病記を掲載し話題に。
また、美容ジャーナリストという職業と闘病経験を活かし、乳がん治療中もいきいきとキレイでいられるためのメイク法や検診の重要性などを各地で講演。
著書に『「キレイに治す乳がん」宣言!』(光文社)、『山崎多賀子の極楽ビューティ体験記』(扶桑社)がある。
NPO法人キャンサーリボン理事。NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーディネーター。

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