プラスコラム
PLUS COLUMN

体温計の正しい使い方を知っていますか?

今では家庭の必需品となった体温計。わきの下で測るのが一般的ですが、計測するときの注意点もあるようです。 

体温計、正しく使えていますか? 

 

体温計の主流は水銀から電子に 

 新型コロナの世界的大流行がある意味、購入のきっかけになったものの1つが体温計かもしれません。 

実際、ドラッグストアなどではコロナ禍前より2倍以上、体温計の売り上げが伸びたともいわれます。 

別な見方をすれば、コロナの流行以前は体温への関心があまりなかったということかもしれません。 

 その体温計も今では電子体温計が主流。かつては一般的だった水銀体温計も水銀の環境への負荷が高いことや健康への影響などから、新しく製造や販売したりすることが世界的に禁止されています。   

正確な実測式とスピーディーな予測式 

電子体温計には検温方法の違いによって「実測式体温計」と「予測式体温計」の2種類あります。 

実測式体温計は水銀体温計と同じように、測定する部位の温度がそのまま表示されるものです。わきの下で約10分、口の中で約5分検温します。 

予測式体温計は、測定の開始時に感知した体温上昇の変化をもとに数分後の体温を予測するタイプです。 

一般に使われている電子体温計の多くはこの予測式で、実測式体温計に比べてスピーディーな検温ができるのが特徴。数10秒で体温が測れます。 

この予測式の場合、検温時間が短くすむ反面、問題のない範囲内だそうですが実測式より誤差が出やすいといわれます。 

ただ、そのまま10分ほどわきの下にはさみ続けると実測式と同じように正確な検温ができます。 

 

わきをしっかりしめて10分待つ 

 体温を測る場所でもっとも一般的なのはわきの下でしょう。 

検温のときは体温計を正しく当てないと正確に体温が測れないことがあります。 

 検温するときは腕を上げて、体温計を斜め下から少し押し上げるようにして入れ、先端をわきの中心に当てたら、わきをしっかりしめ、さらにもう一方の手で腕をおさえて、わきを密着させるようにするといいようです。 

 わきの下の温度が平衡温といって体の内部と同じ温度になるまでには10分以上かかるといわれます。 

実測式の体温計を使って正しく熱を測るには、検温の途中で体温計を取り出さないことが大切です。 

 また予測式体温計で測り直しするときは少し間を開けるようにします。 

 

正しく体温をはかるために 

体温を正確に計測するためには他にも注意したいことがあります。 

(1)食事や入浴、運動の直後は体温が高め。また起床直後は体温が低めになりがち。いずれも30分以上あけてから測定するのがいいようです。 

(2)わきの下の汗は検温する前に乾いたタオルで拭いておきます。濡れたタオルで拭くと皮膚の表面の温度を下げてしまうので注意。 

(3)測定中は安静に。体を動かすと体温が高めに出ることがあるようです。 

(4)体温は時間帯によって変化します。毎回、決まったタイミング、同じ測り方をするのがいいとされています。 

 正しく体温をはかって日々の健康管理に生かしましょう。 

 

<参考> 

*「知ってなっとく からだの疑問」(小学館) 

*「体温について」(オムロン株式会社) 

*「正しい体温測定の方法と注意点。平熱を知る重要性とは?」(シチズン・システムズ株式会社) 

*「体温ってなあに? 正しい体温の測り方」(テルモ株式会社)