
からだ全体が冷える、手足だけが冷たい、上半身がのぼせて下半身が冷える…などなど。ひと口に「冷え」といっても多種多様。ほてり、のぼせも冷えの前兆です。クリニックやサロンに来る人で、冷えのない人はいないほど季節にかかわらず増えています。
冷えは女性ホルモンに大きく関係しています。女性ホルモンのうち、プロゲステロン(黄体ホルモン)は体温を高める働きがあります。排卵のあとから生理まで、プロゲステロンの分泌が多い時期は、高温期といってひと月のうちで体温が高い時期です。プロゲステロンは受精卵を着床させ妊娠を維持するために大切なホルモンで、妊娠中はプロゲステロンが多く分泌されるため、体温が0・5度程度高くなります。
ストレスなどにより卵巣機能が低下して、このプロゲステロンとエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が正常にいかないと、血流の調節をする自律神経も乱れてしまい、血液の循環が悪くなり「冷え」という症状をおこすのです。
また冷えには、心臓病、腎臓病、糖尿病、甲状腺機能低下症など、隠れた病気がある場合もありますから、一度、病院でチェックしてもらうことをおすすめします。
血のめぐりが悪ければ、冷えを自覚していなくてもそれは「冷え症」予備軍。血行が悪いことでほてりやのぼせもおこります。隠れた病気がないことをチェックしたら、ほとんどの冷えは女性ホルモンの分泌バランスが悪く、卵巣の機能が低下しているためといっていいでしょう。
医学的には卵巣機能を回復させる手立てとして、まず低用量ピルなどのホルモン合剤を使います。また、卵巣機能低下が著しく無月経や生理不順などがあれば、血液検査でホルモンチェックを行ない、エストロゲン単剤補充、ホルモン補充療法(HRT p216~)などを行ないます。
また、「日常生活アドバイス」で紹介するサプリメントや自分のタイプに合った漢方薬などを上手に使うことで卵巣機能を正常に戻し、冷えを改善できる場合もあります。
食べ物のエネルギーを燃やし熱に変えてくれるビタミン、ミネラルが不足すると血行が悪くなります。最近の食物には、ビタミン、ミネラルがたっぷり含まれていないものが多く、必要量が食事だけでとれないのが現状。サプリメントで補いましょう。冷えには、ビタミンBコンプレックスを筆頭に、コエンザイムQ10、ビタミンC、ビタミンEが効きます。
血行を促すもっとも効果的な方法は運動。筋肉を動かして全身の血をすみずみまで送りたい。メンタルケアにも運動は大事です。ウオーキング、気功、ヨガ、ストレッチなど、ゆっくりとした動きで心身のバランスをとれるものを選びます。足浴や半身浴も習慣化して。
しょうが、ねぎ、にんにく、にらは、冷え解消野菜。ごま油でしょうが、ねぎ、にんにくの香りをたてながら炒め、にらを加えて、おかゆやご飯にのせて食べても美味しい。お肉やいかを加えて炒め夕食の一品に加えても。また、クコの実、ナツメも冷えに効く食材。しょうがと一緒に水でトロトロになるまで煮て飲むと、じんわりからだが温まります。ビタミン補給のためにと飲んでいる果物ジュースや野菜ジュースは、からだが冷えやすいので、比較的体力のないヘナヘナちゃん、グチグチちゃんは特にとり過ぎに注意してください。
出典:『キレイな[からだ・心・肌] 女性ホルモン塾』 対馬ルリ子、吉川千明 著 / 小学館 刊