病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

肥満症
[ひまんしょう] 体の病気 その他

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肥満を判定するにはいくつかの方法がありますが、よく使われるのがBMI(Body Mass Index)というものです。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
の計算式で求めることができます。
この数値が25以上で肥満と判定されます。日本人の場合、もっとも病気にかかりにくいBMIは22ということから、BMIが22になる体重が標準体重とされています。

標準体重は、以下の数式で求めることができます。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
たとえば身長が158cmの場合、1.58(m)×1.58(m)×22=54.9(kg)
となり、標準体重は54.9kgとなります。

肥満になると、糖尿病や脂質異常症、高血圧症メタボリックシンドロームなど、生活習慣病にかかる確率がとても高くなります。
肥満には皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満があります。その中でも問題なのが、内臓脂肪型肥満です。これは内臓のまわりに脂肪がついてウエストが太くなった肥満で、女性より男性に多くみられるのですが、更年期を過ぎた女性もホルモンバランスの変化によって内臓脂肪型肥満を起こしやすくなります。
内臓脂肪が蓄積すると、代謝のバランスがくずれてインスリンの働きが悪化(インスリン抵抗)する一方、血圧を上げる物質の分泌がふえ、動脈硬化を抑える物質が減ります。そのため糖尿病にかかりやすくなったり、高血圧になる、善玉コレステロール(HDL)が減少する、中性脂肪がたまるなどの影響がでてきます。

原因

遺伝的に太りやすい人もいますが、ほとんどが食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が原因です。

治療

消費カロリー以上に摂取したカロリーは、中性脂肪に変化して体内に蓄積されます。食事療法や運動療法を行って、摂取カロリーをおさえ、消費カロリーを増やします。
ただし、無理なダイエットはかえってからだに負担をかけます。たんぱく質やビタミン、ミネラルをバランスよく食べ、適度な運動をして健康的にやせるようにします。
適切な摂取カロリーは、活動量によって違いますが、標準体重に30をかけた数値が、1日に摂取するカロリーの目安になります。たとえば身長158cmの人の標準体重は54.9kgですから、30を掛けると1647kcalとなります。
運動は、歩行やジョギング、自転車などの有酸素運動がよいとされています。 1分あたりの脈拍で30〜150が適切です。
内臓脂肪は、比較的早くエネルギーに変換されるので、減らすのは難しくありません。逆にいえば、短時間に容易に脂肪を蓄積することも可能だということです。