病気・トラブル辞典
SICKNESS & TROUBLE DICTIONARY

アトピー性皮膚炎
[あとぴーせいひふえん] 体の病気 皮膚

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皮膚科

もともともっているアトピー体質(素因)にいくつかの要因が重なって起こるかゆみの強い皮膚炎です。乳児期や幼児期に発症することが多いのですが、大人になって発症する例もあります。

症状

年齢で症状が異なり、よくなったり悪くなったりをくり返します。

●乳児期
顔を中心にかゆみの強い赤い湿疹ができ、その後ジクジクしてかさぶたになります。体ではとくに、ひじのくぼみやひざの裏、耳の付け根などにできます。

●幼児期・学童期
顔まわりの湿疹は減りますが、手足の関節や首、耳たぶなどに湿疹ができるようになります。皮膚の乾燥はさらに進み、カサカサして粉をふいたようになります。くり返し湿疹ができる部分は皮膚が赤く厚ぼったくなるのも特徴です。
思春期・成人期:皮膚全体に乾燥がすすみ、赤くゴワゴワしてきます。

原因

アレルゲン(アレルギー反応を起こす原因物質)には、ハウスダストやダニ、ペットなどさまざまなものがあります。
また、もうひとつの要因として、生まれつき皮膚のバリア機能が弱いこともあげられます。
バリア機能とは「外から体内への異物の侵入を防ぐ機能」と「体内の水分が逃げるのを防ぐ機能」のことです。アトピー性皮膚炎では、このバリア機能が不十分なため、水分が逃げやすく、皮膚が乾燥し、ほこりやダニなどのアレルゲンが皮膚の中に入りやすいのです。

治療

治療の基本はステロイドの外用薬で炎症を抑え、その後スキンケアで再発予防をしていくことが大事です。
アトピー性皮膚炎は、かゆみが強いために、かいたりこすったりしてしまいがちですが、かくことで皮膚のバリア機能がこわれて炎症がさらに悪化していきます。この悪循環を断ち切るためにも、ステロイド外用薬を用いて炎症を鎮めます。
ステロイド外用薬の副作用を心配する人もいますが、炎症を鎮めるためにとても有効な薬です。適切に正しく使えば心配はありません。 かゆみが強いときには、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の飲み薬を処方します。
アレルゲンが特定されていて、それによって症状が悪化するような場合は、生活環境からアレルゲンを取り除いていきます。

注意したいこと

治療を成功させて、最小限の薬ですませるためには、スキンケアや生活の見直しが大事です。
皮膚清潔に保つようにして、入浴後や朝は保湿剤を塗って皮膚を乾燥させないように気をつけましょう。
冷暖房や肌に触れるものの選択、入浴の仕方、食事、ストレス、睡眠なども見直してください。