生活習慣改善
LIFESTYLE MODIFICATION

7.身体活動・運動~基礎代謝を効果的に高めるコツ「脱」メタボリックシンドローム 「基礎編」

内臓脂肪は、消費エネルギーを摂取エネルギーが上回る生活を続けた結果、おなかに増えた貯金です。この貯金を減らすには、消費エネルギーを増やし、エネルギーの出納を赤字にしなくてはなりません。
私たちは朝起きてから夜寝るまで、忙しい人もそうでない人も、運動する人もしない人も、活動によって多かれ少なかれエネルギーを消費していますが、その量は消費エネルギー全体の3割ほどで、実は6割を基礎代謝が占めています。
基礎代謝とは、体温の維持や内臓の働き、細胞の活動などに消費される、生きるための必要最小限のエネルギー量のこと。
基礎代謝は10代をピークに低下し、特に女性は30~40代までに100~200kcalも低下します。
運動不足は、活動によって消費するエネルギーの不足に加え、基礎代謝の低下にも拍車をかけます。その基礎代謝を高めることができれば、減量プランも難なく達成できそうですね。

心拍数120でウオーク

改善のヒント
基礎代謝を体の部位別に見ると、最も多くエネルギーを消費しているのが筋肉です。
筋肉を増やせば、基礎代謝を高めることができますので、筋トレがよく推奨されますが、ウオーキングや軽めのジョギング、水泳などの有酸素運動も効果あり。
心拍数を120前後に維持しながら歩くと、疲れにくく脂肪燃焼効果も高いことがわかっています。基礎代謝を高めるには、1日30分程度のウオーキングを週2回で十分です。

少し歩いたら、脈をはかり、10秒間で20なら心拍数120

体をこまめに動かす

改善のヒント
筋トレでは、スクワットや腕立て伏せなどがメタボリックシンドロームの改善にすすめられます。苦手で続きそうにない方は、日常生活のなかで体を動かすことで筋力の低下をカバー。
たとえば通勤電車で座れず、重いカバンをさげて立っていれば、手も脚も疲れますが、それが筋トレになります。
体を使うことそれ自体による消費エネルギーもカウントできますので、「皮下脂肪は定期預金、内臓脂肪は普通預金」と唱えながら、困った貯金をこまめに引き出しましょう。

生活活動による消費エネルギー 厚生労働省「保健指導における学習教材集」より一部改変

加齢と筋肉の目減り

POINT!

全身には大小400余りの筋肉がありますが、筋肉の量は20歳代なかばをピークに、50歳代以降は毎年1%ずつ減少し、80歳までに筋肉の実に30~40%が失われます。
特に足の筋肉は衰えが早く、上腕の内側の力こぶにくらべ、ふくらはぎの筋肉は10年早く減少が目立ちはじめます。階段をのぼりおりしていますか?

医学監修
東京逓信病院内科部長 宮崎滋