健康診断を知る
CHECKUP GUIDE

膠原病(こうげんびょう)素因の検査その他の主な検査

検査名称

RAテスト、抗核抗体(こうかくこうたい)

基準値

RAテスト 陰性(-)
抗核抗体(ANA) 陰性(40倍未満)

どんなときに受ける?

・関節痛や手のこわばり、皮膚粘膜が乾くなどの症状があるとき
・血縁に自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)の人がいる場合は、20代でも1回は検査を受けましょう。
・自己免疫疾患は女性に多い病気です。30代~50代は発症しやすいので、年に1回程度は調べましょう。

どんな検査?

免疫機構の異常により、本来体内に侵入してきた病原菌などの異物に対して攻撃を加えるはずの抗体が、間違えて自己の組織を攻撃してしまう病気が自己免疫疾患です。
自己免疫疾患は、女性に多く、罹患率は男性の3~4倍といわれています。
代表的な自己免疫疾患が膠原病(こうげんびょう)で、膠原病の中には、関節リウマチ、全身エリトマトーデス、強皮症(きょうひしょう)、シェーグレン病などいくつか関連した(類縁の)病気があります。RAテストではリウマチ因子を、抗核抗体は膠原病でよくみられる自己抗体を調べます。

検査の方法は?

採血による血液検査(血液生化学検査)で調べます。

検査で何がわかる?

RAテスト

RAテストは膠原病の中でもっとも多い関節リウマチ(RA)を診断するために、血清中(けっせいちゅう)のリウマチ(リウマトイド)因子(RF)の有無を調べる検査です。
検査結果は陰性(-)、弱陽性(+)、陽性(++)の3段階に分けられ、陰性が正常です。RAテストで陽性の場合は、自己免疫異常の素因があると考えられます。
ただし、RAテストだけでは診断はできません。症状のまったくない人でも陽性に出ることがあります。また、肝硬変(かんこうへん)や感染症、がんなどでも陽性に出ることがあります。弱陽性の場合は、再検査をするほか、ほかの検査と組み合わせて判断します。高値の場合は、リウマチ膠原病専門医を受診し、ほかの病気の可能性もあわせた追加検査を行います。

抗核抗体(こうかくこうたい)(ANA)

自分のからだを異物と誤認して生じる抗体を自己抗体といいます。膠原病になると、血液中に抗核抗体が出てくるので、膠原病のスクリーニング(ふるい分け)検査として行われます。膠原病(関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群など)や慢性肝炎(かんえん)、慢性甲状腺炎(こうじょうせんえん)などでも陽性を示します。
ただし、ふつう抗核抗体は40倍未満とされていますが、健康な人でもときに80倍以上の結果が出ることがあります。この検査結果が陽性というだけでは病気ではありません。とくに症状がなければ、年1回の検査で経過観察をします。160倍以上では、精密検査を行います。

ドクターから

膠原病は甲状腺とともに女性に圧倒的に多くみられる自己免疫疾患です。
もともとの素因があり、妊娠・出産、更年期や手術後など大きなストレスかかったときに発病しやすいといわれています。
膠原病の検査は、甲状腺機能と同様に、一般健診や自治体健診の検査項目には入っていません。症状があるときはもちろんですが、症状がなくても女性検診などできちんと検査を受けましょう。とくに、家族に自己免疫疾患をもつ人がいる場合は、リスクがあると考えてしっかり検査を受けて、専門家の発症予防に関するアドバイスを受けておきましょう。