
フリーT3、
フリーT4、
TSH
血液中の甲状腺ホルモンの値を調べて、甲状腺の病気の診断に役立てます。採血による血液検査で測定します。
甲状腺は、のどぼとけの下にあって、成長や全身のエネルギー代謝を促す甲状腺ホルモンを分泌しています。
この甲状腺ホルモンには、T3(トリヨードサイロニン)とT4(サイロキシン)の2種類があります。T3は1分子中にヨードを3個もち、T4は4個もっています。T3は、T4より4倍も強い働きをするホルモンです。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)は、脳下垂体から分泌され、T3、T4の量を調節するホルモンです。
この甲状腺ホルモンが多すぎたり、少なすぎたりすると、さまざまな症状が起こります。甲状腺の異常は女性に多い病気ですので、年1回程度の定期的な検査が大切です。
これら3つの検査を組み合わせて行い、3つの検査結果により総合的に判断します。
血液中のT3、T4の一部は、たんぱく質と結合し、ホルモンとしての作用を発揮していないため、たんぱく質と結合していない、ホルモンとして作用している部分であるフリーT3、フリーT4を測定します。
T3、T4の値は、両方同じように変動します。
基準値は、T3が70~176ng/㎗、フリーT3が2.2~4.1pg/㎖です。
T4は、4.8~10.5μg/㎗、フリーT4は、0.8~1.9ng/㎗です。
甲状腺でつくられるT3、T4の甲状腺ホルモンの量は、脳にフィードバックされ、脳下垂体から出るTSHによって調節されています。そのため、TSHの値も合わせて測定します。
基準値は、0.4~4.0μIU/㎖です。
フリーT3、フリーT4の値が高く、TSHの値が低い場合は、甲状腺機能亢進症です。
フリーT3、フリーT4の値が低く、TSHの値が高い場合は、甲状腺機能低下症です。
甲状腺機能亢進症としては、バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能性結節などが考えられます。
甲状腺機能低下症としては、橋本病、粘液水腫などが考えられます。
TRAb(TSHレセプター抗体)、TgAb(抗サイログロブリン抗体)、TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)を血液検査で調べます。甲状腺の疾患は自己免疫の異常によるものが多いので、これらの自己抗体を調べるのです。
TRAb(TSHレセプター抗体)の基準値は、10%以下です。これが高値だと、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症が疑われます。
TgAb(抗サイログロブリン抗体)の基準値は、0.3U/㎖以下です。これが高値だと、橋本病などの甲状腺機能低下症が疑われます。
TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)は、0.3U/㎖未満です。これが高値だと、自己免疫の異常による甲状腺異常(亢進あるいは低下)が疑われます。
これらの結果は、フリーT3、フリーT4、TSHの結果と合わせて総合的に診断します。
出典:『「女性検診」がよくわかる本』 対馬ルリ子 著/ 小学館 刊