エストラジオール、LH、FSH、プロラクチン
採血による血液検査で調べます。女性ホルモンの値を調べることで、卵巣の機能が低下していないかどうか(卵巣機能不全)など、無月経、無排卵、プレ更年期や更年期の診断などに役立ちます。

おもに卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)の値を調べる検査です。エストロゲンは、女性ホルモンのひとつで、女性らしい体つきをつくり、子宮に作用して妊娠に備え、子宮内膜を厚くしたり、排卵を助けます。卵巣で卵をつくるときに出るホルモンでもあります。さらに、自律神経、感情の働き、骨、皮膚、粘膜、関節、筋肉、胃腸、脳の働きにも、エストロゲンは大きく関係しています。
基準値は、卵胞期(生理開始から排卵まで)前期が11~82pg/㎖、卵胞期後期が52~230pg/㎖、排卵期(排卵日)が120~390pg/㎖、黄体期(排卵後から生理まで)が9~230pg/㎖です。
妊娠中、エストロゲン値は非常に高くなり、妊娠前期では2300~7400pg/㎖、妊娠中期では、9700~18400pg/㎖、妊娠後期では16500~32400pg/㎖です。
また、閉経後は、極端に下がり22pg/㎖以下になります。ちなみに男性にもエストロゲンは分泌されていて20~59pg/㎖が基準値です。おもしろいことに、閉経後の女性よりも、男性のほうが女性ホルモンは多いのです。
エストロゲンの値が低いと、卵巣機能が低下していることが推測されます。無排卵、無月経、プレ更年期、更年期などが考えられます。妊娠中では、切迫流産、妊娠中毒症などが考えられます。
LHとFSHは、ともに脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)です。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンは、卵巣から分泌されますが、その指令を出しているのが脳の視床下部。視床下部は脳下垂体に命令を出し、すると脳下垂体は、2つの性腺ホルモン、LHとFSHを分泌します。これが卵巣に働いて、エストロゲンとプロゲステロンが分泌されるという仕組み。
LH、FSHの値を測ることで、脳下垂体の異常や、性腺機能の異常を調べることができます。
LHの基準値は、卵胞期(生理開始から排卵まで)が2.3~16.9mIU/㎖、排卵期(排卵日)が2.9~51.3mIU/㎖、黄体期(排卵から生理まで)が0.9~19.4mIU/㎖、閉経後は87.4mIU/㎖以下です。
FSHの基準値は、卵胞期が3.0~14.7mIU/㎖、排卵期が3.2~16.6mIU/㎖、黄体期が1.5~8.5mIU/㎖、閉経後は157.8mIU/㎖以下、となります。
LH、FSHがともに低値の場合は、下垂体機能が低下していることによる、無月経や無排卵などの月経異常、不妊症などが疑われます。
LH、FSHがともに高い値のときは、プレ更年期や更年期が考えられます。
プロラクチンは、乳汁の分泌を促進させたり、乳腺の発育を促したりする働きをもつホルモンです。脳下垂体から分泌されます。
妊娠中に高くなるホルモンで、それ以外で高くなる場合は、異常です。
基準値は、6.1~30.5ng/㎖です。黄体期には、40ng/㎖になることもあります。妊娠中は、100前後~300ng/㎖と高くなります。妊娠中以外に高い場合は、無月経、不妊、乳汁漏出症、脳下垂体の腫瘍などが考えられます。また、睡眠薬、抗うつ薬、胃腸薬などを服用していると高くなることがありますが、この場合は心配はありません。
出典:『「女性検診」がよくわかる本』 対馬ルリ子 著/ 小学館 刊