血糖、ヘモグロビンA1c、インスリン
糖尿病の疑いがないかどうかを調べる検査。糖尿病はカロリーの多い食生活、運動不足、肥満、ストレスなどが引き金で、更年期以降の女性がなりやすい病気です。40歳以降は年1回検査しましょう。

口から摂取した糖質はブドウ糖に分解され血液中に入りますが、この血中ブドウ糖を血糖といいます。血液中の血糖は、生命維持のエネルギー源にするため、いつも体内で一定濃度に保たれています。
健康な人では食事をすると、血液中の血糖が少し多くなります。すると、膵臓からインスリンというホルモンが出て、血液中の糖を代謝する働きをするので、食後2時間くらいで血糖値はもとに戻ります。
ところが、なんらかの原因でインスリンが不足すると、慢性的に高血糖になり、逆にインスリンが多すぎると、低血糖になります。どちらにしても体の細胞に悪影響を与えます。
血糖値は、正常なときでも食後の値は高くなるので、検査は9時間以上絶食した空腹時血糖を測ります。妊娠中の女性は、低くなります。
基準値は、70~109㎎/㎗です。126㎎/㎗以上は、糖尿病と診断されます。110~125㎎/㎗で、糖尿病の疑いがある場合は、ブドウ糖負可試験を行います。ほかに、値が高い場合では、膵炎、肝炎、肝硬変などが疑われます。値が低い場合では、低栄養、薬剤性、インスリノーマ、下垂体機能低下症などが疑われます。
赤血球の中にある、体内に酸素を運ぶヘモグロビン(Hb)と血液中のブドウ糖が結合したものがヘモグロビンで、その一種がヘモグロビンA1c(HbA1c)です。
血糖値が高くなると、ブドウ糖はヘモグロビンと結合して、HbA1cに変わるため、血糖値の高い状態が続くと、HbA1cの測定値が高くなります。
HbA1cの検査結果の値は、血糖値や尿糖値のように、食事や精神状態によってあまり変動しないので、糖尿病の指標となる検査でもあります。また、糖尿病の人が血糖値をコントロールするときの目安にもなります。
値が高い場合には、糖尿病、腎不全、異常ヘモグロビン血症が疑われます。値が低い場合では、消化器系のがん、肝硬変などが疑われます。
基準値は、4.3~5.8%です。6.5%以上になると、糖尿病と診断されます。
インスリンは、血液中の血糖が多くなると膵臓から分泌されて、血糖値を下げようと働くホルモンです。
インスリンが不足すると高血糖になり、多くなると低血糖になります。どちらにしても、体の細胞に悪影響を及ぼします。
インスリンが不足する要因は、カロリー過剰な食生活(外食が多い、スナック菓子を食べる、脂肪分の多い食事など)やストレス、加齢、肥満、運動不足、遺伝的因子などです。
インスリン濃度を測定し、血糖値と合わせて見ることで、糖尿病の診断ができます。また、糖尿病の治療をコントロールする指標にもなります。
インスリン値が高い場合では、肥満、肝硬変や脂肪肝などの肝疾患、インスリノーマ、インスリン自己免疫症候群、異常インスリン血症などが疑われます。
インスリン値が低い場合は、糖尿病、膵炎、膵石症、膵がん、褐色細胞腫、下垂体前葉機能低下症などが疑われます。
基準値は、空腹時で2.2~12.4μU/㎖です。
出典:『「女性検診」がよくわかる本』 対馬ルリ子 著/ 小学館 刊