白血球は、体内に細菌や異物が侵入すると、それを自分の中に取り込み、消化分解して無毒化するという大切な働きをしています。これを食作用(しょくさよう)といいます。
したがって、体内に細菌や異物が侵入して炎症をおこすと、骨髄造血幹細胞(こつずいぞうけつかんさいぼう)で白血球がさかんにつくられ、血液中に白血球が増えます。
そこで、1μℓ(mm3)あたりの血液中に白血球が増えているか減っているかを調べると、病気を診断する手がかりになります。
白血球数の判定基準は、下のとおりです。
異常なしの判定A(基準値)は、3.2×103~8.5×103/μℓです。
●白血球数の判定基準
非喫煙者…3.2~8.5(103/μℓ)→A(異常なし)
8.6~8.9(103/μℓ)→B(軽度異常だが心配なし)
2.6~3.1(103/μℓ)→C(要経過観察)
2.5(103/μℓ)以下、または9.0(103/μℓ)以上→D(D1…要医療またはD2…要精検)
これは非喫煙者の場合ですが、喫煙者の場合は値が少し高くなります。
また、新生児では1μℓあたり1万以上、5歳以下の幼児は6000~1万1000、6~14歳の小児では6000~1万が基準範囲とされます。
白血球数は、激しい運動や、入浴、ストレスなどが原因で、一時的に増えることがあります。また、食事の後も増えることがあります。
白血球数が増えるのは、からだに害になる細菌などが体内に侵入した場合と、白血病などのがんで骨髄が異常増殖をおこした場合です。
増加する原因のほとんどは、扁桃炎(へんとうえん)や肺炎、胆(たん)のう炎(えん)、胃腸炎など、細菌による感染症と考えてよいでしょう。
しかし、白血球数が2万以上と非常に多い場合は、白血病や敗血症(はいけつしょう)などの危険な病気の可能性があります。とくに慢性白血病では、10万以上になることもあります。
白血球数が減るのは、骨髄(こつずい)の働きが低下した場合(再生不良性貧血など)と、古くなった白血球を壊す脾臓(ひぞう)の働きが異常に高まった場合(脾機能亢進症)です。抗がん剤などの薬剤の副作用による骨髄の機能障害もありますから注意が必要です。
異常値が出たら、再検査する必要があります。
再検査の結果、B判定で、他の検査でも異常が認められず自覚症状がなければ、まず心配いりません。
また、扁桃炎や気管支炎(きかんしえん)、胃腸炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)などの急性炎症のために白血球が増えている場合は、治療によって炎症が治まれば、白血球数も正常に戻ります。
ヘビースモーカーでは、白血球数は30%ほども増えています。気管や気管支に慢性の炎症がおこっているためです。喫煙の習慣をやめるよう努力しましょう。
ただ、白血球が異常に多くて白血病や敗血症の可能性があるときは、すぐ入院して骨髄などの検査を受け、治療をしなくてはいけません。
白血球数が少ないときは、からだの防御反応(ぼうぎょはんのう)が低下し病原体に感染しやすくなります。
1000以下と極端に白血球数が減少したときは、すぐ無菌室(むきんしつ)と呼ばれる特別な部屋に入らないと、敗血症になってしまいます。こうした場合も骨髄検査を行なって、原因となる病気を診断しなくてはいけません。
また、さまざまな薬剤の副作用で白血球が減少することもありますので、薬剤を服用している場合は、ただちに中止する必要があります。
〔非喫煙者〕3.2~8.5(103/μℓ)
〔高値〕白血病、細菌感染症、敗血症(はいけつしょう)、腎不全(じんふぜん)、肝不全、膠原病(こうげんびょう)
出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊