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健康診断ガイド

2.検査結果の見方と注意

血液一般検査

ヘモグロビン〈Hb〉/ヘマトクリット〈Ht〉

どんな検査か
ヘモグロビンとは

ヘモグロビンは、赤血球に含まれている血色素(けっしきそ)で、からだじゅうに酸素を運ぶ重要な役割を果たしています。
ヘモグロビンは、ヘムという鉄分とグロビンというたん白とが結び付いたもので、このヘムの鉄分が酸素と結び付いて全身組織細胞に運び、そのかわりに二酸化炭素を運び出しています。ヘモグロビンが減ると貧血になります。

ヘマトクリットとは

一定量の血液の中に、どれくらいの割合で赤血球が含まれているかを調べる検査が、ヘマトクリットです。
ヘマトとは血液、クリットとは分離の意味で、血液を遠心分離器(えんしんぶんりき)で固形成分(こけいせいぶん)と血漿(けっしょう)(上ずみ)に分けて測定することから、この名がつけられました。

検査でわかること

ふつう、「赤血球数〈RBC〉」が減ると、ヘモグロビンは減り、ヘマトクリットの値も下がります。このように、3つの値は密接に関係して増えたり減ったりしています。これらのデータをもとにして、貧血の種類をおおよそ診断できます。

基準値とその変動
性別・年齢で異なる基準値

成人の基準値と判定基準(A~D)は「ヘモグロビンとヘマトクリットの判定基準」のとおりです。生後すぐの赤ちゃんは高値を示しますが、生後6か月ぐらいで低下します。その後再び増え、15歳ぐらいで成人と同じになります。
また、妊娠中の女性や高齢者では、やや低値になります。

季節や時間による変動

ヘマトクリットの値は、夏よりも冬のほうが高くなります。朝・昼・夜で値が変わることがあります。

異常値と疑われる病気
値が低いときは貧血

ヘモグロビンとヘマトクリットの値は、赤血球数と連動していますから、これらが異常値のときは赤血球数の場合と病気は同じです(「赤血球数〈RBC〉」参照)。
どちらも低値なら貧血が疑われます。判定がDランクであれば、治療が必要です。貧血の大部分は女性に多い低色素性小球性(ていしきそせいしょうきゅうせい)貧血ですが、次いで多いのが、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血、白血病やがんの転移による貧血です。

値が高いときは多血症(たけつしょう)

どちらの値も高値なら多血症(赤血球増多症)が疑われます。多血症は、赤血球をつくる骨髄(こつずい)の組織が異常増殖(いじょうぞうしょく)する一種のがんと考えられますから、判定がDランクであれば治療をしなくてはいけません。ただし、新生児や生理前の女性にみられる高値の場合は、とくに病気というわけではないので心配いりません。

異常値のときどうするか
治療のため貧血の種類を調べる

貧血の種類によって治療方法や二次検査の種類が違いますから、それを診断するための精密検査が行なわれます。診断の結果、鉄不足による低色素性小球性貧血であれば、肉、魚、レバー、緑黄色野菜などを多めにとるようにすれば、1~3か月で治ります。

基準値

ヘモグロビン

異常値を示すおもな病気

〔低値〕貧血症

関連リンク

コラム「赤血球恒数で貧血を判定する」
「ヘモグロビンとヘマトクリットの判定基準」

出典:『病院の検査がわかる 検査の手引き 改訂第5版』
安藤幸夫、真山享、藤田善幸 著 / 小学館 刊

ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社